第3章〜動き出す国々と世界
革命軍と四天王の3人〜始動〜
ここは革命軍『
あれからルシルは、異世界の者達の事に付いて書かれた本を自分の部屋に取りに行き、その本を持ち広間に戻って来ていた。
そしてルシル達3人は、その本を床に広げ読みながら話をしていた。
「……なるほどな。ここに書かれている事が事実なら。昔、異世界と繋がり迷い込んで来た者達がいた。……って事は……」
「うん、クロフ。この本に書かれている事が正しければ、クロフが城で聞いた話は事実って事になる」
「ルシル。それが本当なら、閉じていた異世界との扉が、また開いて繋がったって事になるの?」
「マリス、そうだと思うんだけど。ただ、気になる事があるんだ」
ルシルがそう言うとマリスは本のページをめくりながら、
「気になる事って?」
「この本や他の本を何度も読み返したんだけど……。何で異世界との扉が開き繋がったのか?その後、その扉をどうやって閉じたのか?その原因とその方法に付いて、何処にも書かれていないんだ」
「ルシル、なるほどな。だが元々、これは転移装置の事に付いて書かれた本。ここに書いてあるのは、どうやって作るのかと、異世界の者達のおかげで完成したと書いてあるだけだ」
「うん、そうなんだけど……でも、この本には異世界の者達の事は書かれているのに、その原因と方法に付いて、何で書かれていないのか不思議なんだ」
ルシルがそう言うと、クロフは本から視線を逸らし、
「確かに、言われてみればそうだな」
「ねぇ、これは憶測でしかないんだけど。そこに書かれている転移装置を作っている最中に、何らかの力が働き間違って異世界と繋がっちゃったって事はないのかな?」
「……マリス、それはあり得るかも。だけど、この本を書いた人はもう存在しない。そうなると、それを立証する事が出来ない」
「ルシル。いや、立証する事は可能かもしれねぇ……」
「クロフ、それってどういう事?」
マリスがそう聞くとクロフは本を眺めながら、
「……ただ、あくまでこれは、この本を書いた者の子孫か縁の者が存在し、この事に付いて知っていた場合のみだ」
「でも、可能性があるなら……」
「ルシル、そうだね。ん?そういえば、さっき他の本にもその事が書かれていなかったって言ってたけど。それって、どういう事?」
「……その事に付いて調べたけど。俺にも分からない」
「俺が思うに、その事をすべて揉み消す為、大規模……いや世界規模で、その事に関する物すべてに蓋をした……」
「もしそうだとして、何でそんな事をしなきゃいけないの?」
「マリス。クロフの言う通りかもしれない。これは今、俺が思った事なんだけど。さっきマリスが異世界と間違って繋がったって言ったよね?」
「うん、そうだけど?」
「なるほど。ルシル、お前が言いてぇ事は……」
「ああ、もしこの事がすべて揉み消されていたとしたら、ここに書かれている転移装置と何か関係している可能性が高いと思うんだ……それに、この事と関係ないとしても、何かあったとしか思えない。何もなければ、その事に付いて書かれていても良いと思うし」
ルシルがそう言うとクロフとマリスは頷き、その後3人は手分けして、この本を誰が書いたのかと何処に住んでいたのかを調べる事にした。
場所は移り、ここはルトルシニア国のファストル城。この国の四天王の3人が中庭のテラスで話をしていた。
「ティガルにリィザス。ガディスから何か連絡がありましたか?」
この男性はラグドル=リエルと言い四天王の1人。周りからは
普段は優しく冷静で真面目なのだが、戦闘となると人が変わったようになり、容赦なく相手を痛めつけるような
癖のない肩よりも長い金色の髪で、部分的に黒が混じったグラデーションカラー、前髪は瑠璃色の瞳を覆うように長い。
「ラグドル。いや、俺はボンゼル様からは何も聞いていない。リィザス、お前は何か聞いているか?」
この男性はティガル=フェイザーと言い四天王の1人。周りからは鉄壁のティガルと言われ、その異名の通りかなり打たれ強い。
ティガルが放つ地属性の魔法を纏った拳やキックは、岩や鉄を思わせるほどに重く威力がある。
癖がありツンツンした茶色の髪で、毛先の方が赤みがかったグラデーションカラー、前髪は無いに等しくあげている。
「私も何も聞いていない。だが、ガディスがそう簡単にやられる訳が……いや待てよ、女絡みとなると……」
この男性はリィザス=ラボンと言い四天王の1人。周りからは炎帝リィザスと言われており、ルトルシニアの四天王のリーダーだ。
普段からのんびりとした性格で、本当に炎帝なのか?と周りから思われる事もしばしある。
だが、その性格のおかげもあり、周りがよく見えていて的確な判断ができ、戦闘になると炎を自在に操り的を外す事なく攻撃する事が出来る。
濃い緑色で左寄りラインの短めの髪、前髪はほぼ右側に偏り目を覆うほどに長い。ルビーのように透き通った赤い瞳をしている。
「確かに。……変な癖が出ていなければいいのですが」
「ラグドル。まぁ、もし何かあったとしても、何もなかったような顔で、異世界の女を連れ戻ってくるだろう。……だが念の為、一応ボンゼル様に聞いてみるとするか」
リィザスはそう言うと席を立ちボンゼルが居る書斎へと向かった。
ラグドルとティガルはリィザスが見えなくなったのを確認するとまた話し出した。
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