武器を創造する男、お金が欲しい

@siann

第1話


"生きる"というのは、そう難しくないと思うか?

否。

現代において、我々は非常に恵まれた日常を送りすぎているがために、"生きる"というのを甘く考えている。

特に今の若者は、生まれた時から情報化社会と共に生きてきた。

そのためインターネットを頼り、また、外にも出ずにインターネットに依存する者が増えてきた。

ネットワークを通じ、食料や衣服、ゲームを買い漁るも、その分生産や食料自給率は上がったり下がったりだ。


というのも、私は以前農業を営む老夫婦の元で見学させてもらったことがある。

その経験から言うと、近代の若者たちがインターネットに依存する者が続出しているのも事実で、農業ですら、インターネットに情報を詰め込んだり、利用したりしているのだ。

元々不作によりおこ──



「うるっさい!」


「うおおっ!?」


「今何時だと思ってんのよ!バカ!」



ドアを蹴飛ばすように入ってきた、般若のような顔で睨んできた姉を、俺、北浦きたうら彩斗あやとはチラリと壁にかざってあるモノクロ時計を見る。



「い、1時半…です」


「そうね。夜中の1時半ね。……で?そのド下手くそな作文で起こされた私は、一体誰に不満をぶつければいいのかしら?」



姉は腕を組み、全く目が笑ってない笑顔で俺にゆっくりと近づいてくる。

そう、ゆっくりと。



「お、落ち着いて、姉さん。俺、学校の意見発表会に出ることになったんだ。その、インターネット依存と食料自給率について……」


「序文ガタガタ。結局何が言いたいのか分からない。そしてウザイ。うるさい。迷惑。外でせろ。論点ズレすぎ。ウザすぎ。頭悪い。…じゃ、私寝るから。─……また起こしてきやがったらぶち殺す」


「……ほぼただ単に悪口じゃん…」



バタンと力いっぱい閉められたドアを、立ち尽くしながら見つめる俺。

五分頃続いただろうか。俺は静かに机に向かう。



「……書き換えよう」



明日あす、いやもう今日か。

先生に提出しなければならない。……今夜は徹夜だ。



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