第3話 動くとは、動かすということである。

「相当にヤベェぞこれ.....逃げろ!ハル!」


母は素が男のような口調だったりと、コンプレックスになっていたから、極端にthe 女の口調にしていたのだ。


ハルに何かが流れる、今まで夢見ていたものにより、動くように、動かされるように。


「なにも変わらねぇ!今現実を見た!夢を見た!僕はもう!今までとは違う!こんなつまらない生活なんかゴメンだ!」


ハルは過去にも、災害があったら家から抜けて、一人で暮らそうとしていた、そのための知識などは常人とは比べ物にならない。

かつてないほどのやる気に、ハルが動いた?いや、やる気が動かした。


「いい夢見たんじゃねえのか?行っといで、私みたいになるんじゃないよ。」


そう言いながら、ユキはラジオをつけた。


「噴火により、停電やら地震やら津波やらという状況です!噴火の現場は、海だということです!地形変化も予想されるため、一刻も早く避難してください!」


ラジオの音が、かすかに聞こえる、人の悲鳴、崩れる音、そこからユキは、誰も死なないと夢を願った、夢を信じた、息子を信じた。



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