二章
怪物の狩人
【表現】[]内は補足情報
【表現】()内は口に出さない考え
動物を越えた生き物〝
フラシリア大陸の四分の三を占める
サウルウェルスは
人の活動領域クインスラントはサウルウェルスと比較したら穏やかな地形で広い平地や高くない山々があります。
人を動物に含めてクインスラントは動物の活動領域と定義する人々も存在します。
そうであったら、などと考えるのは無益な事ですが……。
イート教会を後ろ盾に人々を苦しめた大国シナノスに対抗する為に建国されたフルクリント王国はシナノスを滅ぼして人の領域クインスラント全域を支配しました。
敵性国家を失ったフルクリント王国に対国家を想定したフルクリント王国軍の必要性は現状[当時]、存在しないと考えたヒノ・ノワールは王国軍を解散しました。
フルクリント王国軍はヒノ・ノワールが建国したフルクリント王国に属する諸侯の兵力を集約した軍隊で大国シナノスと対峙する為に結成されました。
王国軍を構成する人員や武装はフルクリント王国が所有しておらず目的を失った組織を継続させる意義は無くなります。
存続させた末に余計な権威を有したら振り回される可能性があり強大な武力を持つ軍隊は必要ないとヒノ・ノワールは考えました。
諸侯が有する武力に対してヒノ・ノワールが用いた制御方法は治安維持を目的とした武力の保有を認める事でした。
ヒノ・ノワールは兵士たちの仕事を残しながら攻城兵器などの不要な要素を廃棄するように命じます。
戦争が不要な社会で攻城は起こりがたい状況であり不必要な武力を有する正当性の無い諸侯は反抗できませんでした。
領地を持つ諸侯たちは治安維持を目的とした武力を有しています。
領地を持つ人々は領地を守る義務があり許しなく他の領地で治安維持活動を行う事は原則的に禁じられています。
ヒノ・ノワールは廃棄される攻城兵器の一部を新設した
諸侯と共同で設立した国家組織〝
フォルニアは現在行われている第一の目的『クインスラント防衛』の他に計画段階な第二の目的『クインスラント拡大』が有ります。
第二の目的を果たす為に考えられているサウルウェルス侵攻計画は
フラシリア大陸で暮らす人々はフラシリア大陸と同規模、それ以上に巨大な大陸が有るのかを知りません。
海洋技術が進歩しても
フラシリア大陸と周辺の島々は人々が観測している世界の全てと言っても間違いではありません。
存在すら不確かな大陸に存在する可能性がある敵より側にいる犯罪者や
駆除部署はクインスラントとサウルウェルスの境界にある〝前線基地〟を拠点に活動しています。
サウルウェルスから遠く離れたフルクリント王国の王都クリンフィートにも駆除部署の管理する基地は存在しますがフォルニアの本部カメルハイランを間借りしている状況です。
前線基地から遠く離れたクリンフィート周辺で駆除部署が駆除を目的に活動することは前例が有りません。
前線基地の後方に建てられた〝
巨大な
研究所が併設されている前線基地も存在しますが最先端の技術で大規模な研究を行う目的で建てられた
前線基地や研究所の付近には
表向きは
『怪物へ用いる』という建前がある限り攻城兵器と等しい武器を所有している
フルクリント王国が建国してから百年ほどが経った今も人の領域クインスラントへ侵入した
強靭な
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