朝日のようにさわやかに
「お早うございます。今日も始まりました朝の情報バラエティ”朝日のようにさわやかに”、司会の長藤智洋です」
「お早うございます。アシスタントの川上よし子です」
「さて、今日一発目の話題。あの何でも屋の渋谷店のオーナー夫婦が何者かによって惨殺された事件の続報からです。現場レポーターの飯島さん、お願いします」
「はい、飯島です。この事務所が入っているビルの他のオフィスにインタビューをしましたが、オーナー夫婦の評判は悪くありませんでした。なので今日はさらに内部事情に詳しいこの『アラカルト笑顔・渋谷店』の元従業員に話を聞いてみました」
――元従業員のインタビュー。
「ええ、言葉の暴力というかパワハラというんですか。とにかく罵倒や無茶な要求が多かったですね。法律違反スレスレの事をヤレとか。いや、直接面と向かって言うわけではなくて。SNSですか。アカウントを作って会社のグループに参加させられて。あれを通してメッセージを送ってくるんです。社長か奥さんかはわかりませんがどちらかによって削除されてしまいました。夫婦の仲は良かったですよ。私を責める時の息もピッタリ。えっ、だからって殺しはしませんよ。正直死ねとは思いましたけど。まあ、色んな人の恨みを買っていたからいつかこんなことになるんじゃないかと」
「長藤さん、惨殺死体が発見された渋谷の一等地の事務所周辺は特に変わりもなく落ち着きを保っています。現場からは以上です」
「飯島レポーター、ご苦労さま。ええ、この事件に関しましては現在、連絡が取れず行方不明になっている従業員が事件に関わっていると見て警察は行方を追っています。その方の名前は吉本正樹。正確な身長体重はわかりませんがとにかく大柄な体格だそうです。見つけたらすぐに警察に連絡をお願いします」
「さて、この後は全国で猛威を振るうカメムシの大量発生の現象についてお伝えいたします」
「うわ、本当ですか。イヤですね。川上よし子さん得意のジョークなんじゃないの。冗談はよし子さん」
「そのフレーズ、一日に何回言うんですか!(怒) いい加減にしないと飽きられますよ!(怒)」
「それでは一旦コマーシャル」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます