第2話 難病

月日が流れて私は小学6年生になった母の病気も少しは落ち着きを取り戻した。その間に持病のヘルニアや糖尿病で入院することはあっても鬱病は良くなった。


学校生活もそんなに乱れたところはなかった。

ただちょっとしたいじめはあった。

その子の友達になってほしいと担任から頼まれることもあった。

そのことで、友達から距離を置かれそうになったこともあった。


幼いながらによく頑張っていたと思う。あの時の私には暴飲暴食することで自分を満たしていたのだろう。

生活習慣病になるよと言われるほど私は太っていた。

小学校卒業を間近に控えた頃私は原因不明の難病になった。

潰瘍性大腸炎と言う寛解と再燃を繰り返す厄介な病気だ。


一生共にする病気痛くて痛くて死にたくなるほど辛くて悲しみにくれた。どうして私なのだろうと泣いてばかりだった。


採血でさえ嫌がり血なんて見れないほど臆病で弱くてそんな自分がこの病気を乗り越えていけるはずがないと当時は思っていた。


何度も何度も刺される注射針に腕にはいくつも痣ができた。こんなに辛いなら死にたいと思った。もともとそんなに体が強い方ではなかったが長期入院は初めてだった。


糜爛した腸を検査された時はナイフを刺されたんじゃ無いかと思う程痛かった。


卒業式には車椅子で出た本当はまだ退院できない位悪くて外出許可も降りるような状態ではなかったけど無理言って病院から通った。


太ってて日焼けした健康的な小麦色の肌が卒業式のときには青白く痩せてしまい周りのみんなを驚かせてしまったのをよく覚えている。

せっかく練習した歌が歌えなかったこと、壇上で卒業証書を受け取れなかったこと全てが悲しい記憶として残った。


それでも私は笑った。

卒業式に出れたことを喜ぶ母と父を思うと悲しいなんて普通が良かったなんて言えなかった。

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