第218話物日の野地 鬱陶しくも愁色

物日の野地 鬱陶しくも愁色

燐火も視界を徘徊するよ

ぶらりと縊死た残滓は一夜

它(くちなわ)と絡み憑く光景

私の息を停め頂けるならば

未練など断ち切れるもの、

翳を偲ばせるは彼方の微香

限りなく痕を秘(かく)す夜永

行方を厭う彷徨う亡き方方

底に過去の私を老き措いても

直、悲願が咲き乱れる

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