第154話恋を売り歩くのは疲れたと

恋を売り歩くのは疲れたと

とうとうそうな男は私と共にある。


静を留めた古時計は継げる

振り子のマトリョシカに

七色の烏便で加えられた手紙


深淵をのぞく時

不整脈な伝線は瞼を震わせ

唇から紡がれる明き糸


巧妙な詩(しらべ)を紐解き

残ったは灰色のペンシル

奔り出したコトバは紅葉に降らす泪

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