第80話【ひざし】

季節は変わりゆく

けれど誰も彼も老いて逝くのに

繰り返される癒えない傷に

幾度も巡り合う螺旋の楔に繋ぐのは

別れの恐怖よりも悦びを知っていると

本能が手繰り寄せる意図は

朱く錆びついている錠前で

千切れそうなほど脆いくせに

自ら掌を反しても幾度も握ってクルッて

廻るのはまったくイカれたもの経ち

人間なんてもんは過去の過ちを

紐解いても全く学習しない

欲深いイロキチだろうね。

目隠して歩んでいくとぶつかるから

謝っては仲良くなり誤って涙するんだって。

そう思って今日も自分を中心に生きてゆく

だれもわからない真っ暗な未来に向かって

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