第37話石畳の彩が靨(えくぼ)愛おしく

石畳の彩が靨(えくぼ)愛おしく

傾ぐ往還はざまけものみち

艶やかに歪む空けの口許


何処へも見えない途半ば

腐海生みの空に這出流

縋るよう凭れ架かる


影法師は揺らぎ導くよう

あゝ陽が陰を喰らい

海砂の花と舞い尽くす


一筋の落日 稜線に朱の道

未知だけをひたひとり

ふりかえりども見失う漣満ち

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