第14話私で出来た水鏡
私で出来た水鏡
少しばかりの海の水
穢れた血だけを移し破れた
足掻いた処で地の膿は
疾うに尽き果て か細く蛍
山海に往く散開に逝く
静寂に揺らぎ ひとしづく
波紋となりて 音となり
逝くことに泣く 生きるころ鳴く
盆の上の
廻り続ける空蝉で
声も挙げずに地に鎮まりて
唯ゆく末を見守らん
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