第12話有明の月

有明の月

眠りに点いた 砂漠に尽くす

航行の光 黄砂し噎せ還る

瞬間

凝視しても地平線は無い

のらりくらり駱駝とゆく

一寸先も闇

徘徊する蠍に誘われ

赤石の毒をも喰らう

方法も方向も判ら鳴く梟

漆黒の羽搏き 一陣の風

閃を爪弾いた

鳴き砂の囁きは泣いているか

風に酔ながら巡る冒険者

お喋りな音彩

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