塒 1@hebitoritoguro
詞梳記(ことばとき)
第1話 【杯】
耳を塞いで仕舞え
唯
イタミが身を這って朽ちてゆく
そぅと延べられた赤い番傘に
ふたり
もうしとどに濡れて射る
君の眸 僕の唇
滲んでゆく彩は輪郭を亡くし
夜明けのランプを一齧り
すると
蜘蛛の粉散らしたよう
朝露で揺れた光は斯くも見事に
煌めいてはくっ付いて離れない
光
心模様は気分屋で
ひとつ屋根の元 灯の光の下
笑顔に還り咲くその日
永遠を賜りたく
信じていた 眠りから覚めて
術を忘れる新しい朝
底冷えする冬
光は眩むほど痛烈に悼ませて
そんな過去だけが
あたたかさにきえてしまう
嗚呼
奏多の名 彼方の音
滔々
ミチテユクノデショウ。
潰れそうな肺を沢山の生きで満たそうと
喰って喰って苦しみを生きがいとした
だけどねお腹は満たされる
けれど喰っちまった時間
異音だけが裂けたまま
永久、胸を抉るんだ
どうしたらいいのかわからなかった
なあ、誰か俺を喰ってくれよ
そうしたら、如何して?
そんな悲しそうな瞳に同士で
死線に堕とせるのか、理解できるのかと。
それでもずっとずっと枝を伸ばすんだ
そのひに焼かれてなにか存在を見出したい
そんな翳のぼやきは
昏い喰らいあい
あゝ眩くも歪んでしまうから
おわりにしよう
あたらしく仲酔うにしよう
風に乗り 時を肺にして
新たな今を迎えるために
おやすみひのひかり。
おやすみ空に翔ける禽よ
おやすみ地に堕ちる它の詞
詞禽@3sitorisan
它翅@kutinawatubasa
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