その拾伍:瞳の硝子がひび割れる音

「♪真夜中に天井を、とおして星を見る……」


 廃工場の中は、今や異空間と化していた。

 禍翅音かばねの一瞥が周囲を銀朱ぎんしゅ色の辰砂しんしゃに染め上げたかと思えば、久留美くるみの瞬きでその辰砂しんしゃはぼろぼろに崩れ砂と化していく。


「♪星はわたしの瞳の、レンズに降りてくる……」


 景色は息をつく間もなく移り変わる。散らばった砂の上を辰砂しんしゃが覆い、その表層が崩れて粉となる。かと思えば塵積もった砂の小山は辰砂しんしゃに固められ、融けて液体となって広がりゆく。

 紫宮しのみや禍翅音かばね零明れいめい久留美くるみの二人の闘いは、廃工場の内部という手狭な世界を書き換えていく改変合戦と化していた。


「その歌も聞き飽きました。そろそろ答え合わせしましょうか。私に追随できるほどの世界観の改変、これは貴女も邪視者ゲイザーですね?」


「そ、そうです。“見る”だけで効果を及ぼす、最速最強の超越能アウトレンジ──私の能力の基点は、禍翅音様と同様、邪視ゲイズです」


 相手が腕を振り上げる間に、邪視者ゲイザーはただ一睨みするだけで能力を行使する。

 極まった邪視者ゲイザー同士の闘いは魔法のように不可思議だ。本人は微動だにしないまま視線のみが火花を散らし、その周囲に闘争の余波が吹き荒れる。

 特に、再構成メタモルフォシス──石化ゴルゴーン液状化ゲルモーフを含む物質改変系能力者同士の闘いは、千日手に陥りやすい。

 互いが互いの領域を支配し己の世界観を押し付け合うその戦いは、盤面が無限に広がる黒白遊戯オセロにも例えられるほどだ。

 今や砂嵐が吹き荒れ水銀が滴る廃工場は、彼女ら二人の世界観で埋め尽くされていた。


「見たものを砂にする再構成メタモルフォシス邪視ゲイズ──ではないですね。結果として砂粒になるだけで、その過程は浸食と蒸発、腐敗と劣化──これは、風化?」


「ああ、ああ、素敵です、禍翅音様! そんなことまでお分かりになるだなんて、私、嬉しくて、そんなに禍翅音様に気にかけていただいていられるのが楽しくて、ああ、頬がとろけてしまいそう!」


 久留美が高揚を見せた瞬間、彼女の邪視ゲイズがにわかに勢力を増した。

 一体を丸ごと吹き飛ばし単なる砂漠を作り上げ、禍翅音の身体ごと砂塵さじんの彼方へほうむり去る。

 足元が砂で埋め尽くされ、頭上に満天の夜空が描かれた光景は、彼女の強固な世界観の表れだった。

 しかしその夜空に亀裂が入り、星々を叩き壊して禍翅音が再び現れる。

 『禍翅音理論:自己再帰レゾン・デートル』。己を不滅の存在と定めた禍翅音は、如何なる手によっても死ぬことは無く、再び久留美との闘争に身を投じた。


 厳密には彼女たちの闘いは千日手の様相ではない。

 禍翅音が押し負け、領域を全て久留美に奪われた状態から、負けを認めずに仕切り直し、という展開に至ったのはこれで十二度目だ。

 絶対に自分の負けを認めない紫宮禍翅音。そんな禍翅音を幾度となく叩き伏せ幸福を迫る零明久留美。

 不毛な邪視者ゲイザー同士の闘いは、時空さえ歪んだ異空間の中で絶え間なく続いていた。


「ああ、諦めを知らない勇敢なところも素敵です、けれど、けれど私の『鍵姫物語永久少女輪舞曲ストレンジ・ファニー・ラブ』は時操タイムトランスの能力。決して、決して禍翅音様は私の眼から逃れ得ることはできません」


「──時操タイムトランス? 聞いた事がない分類ですね。それは、四災神群しさいしんぐんの──青龍あおだつ夏我美かがみの入れ知恵ですか?」


「えっ、どうしてわかるんですか? はい、確かにこの異能ちから夏我美かがみさんから頂きました。禍翅音様を弄ぶためだけに、禍翅音様と共に傷つくためだけに」


「……へえ」


 禍翅音は彼女に言い知れぬ疑念を抱いていた。

 乱痴らんち騒ぎの魔女、四災神群しさいしんぐんの四、『trick & screaming night』の青龍あおだつ夏我美かがみ

 七か月前、白虎しろとら刈留魔かるまを撃退した禍翅音達の前に颯爽さっそうと現れ、瞬く間に禍翅音を無力化した恐るべき催眠ヒュプノの使い手。

 禍津星マガツボシについても四災神群しさいしんぐんについても不明点は多い。その上でなお、夏我美かがみについては謎が多すぎる。

 既存の常識からは逸脱する存在であるような。

 超越者アウターという異物が闊歩かっぽするこの世界においてさえ、彼女の存在は在り得ないような──


「『異能ちからを頂いた』っていうのも気になりますね。他者に超越能アウトレンジを贈与した? そんな例は聞いた事がありません。尋問項目一個追加です。私は気が進みませんが──本当に気が進みませんが、色々吐いてもらうとしましょう」


「ああ、そんなに熾烈に、私を求められても、困ります、けど、禍翅音様がそうと言うなら、私、」


「そうではなく」


 両腕を辰砂しんしゃで覆い突貫する紫宮禍翅音。『禍翅音理論:豪放純潔コンプレックス・イマージュ』により不壊の武器と化したその手刀を、久留美は細い腕で難なく掴み、砂粒のように粉々にしていく。


「まだ分かって頂けないんですか? 私の超越能アウトレンジは禍翅音様をいたぶるためだけのもの、世界でたった一人、禍翅音様のためだけのもの。どうあっても、禍翅音様は私に屈する他ないんです」


「心底気持ち悪いので名前を呼ぶの止めてください。貴女と私、これが初対面のはずですけど。その好意だか執着だか分からない唐突な矢印かんじょう、解釈違いにも程があります」


「あ、ああ、そうでした! すみません、私ばかり独り善がりになって。わ、私と禍翅音様の馴れ初め、いくらでも聞かせて差し上げますね!」


「いや別に聞きたくはないです」


「実は私、もうすぐ死ぬんです。生まれた時からの持病で身体が弱くて。医者は早々に匙を投げて家族も私を見捨てて世の中に絶望していた時、夏我美かがみさんから不変を司る女神のようなお方がいるという話を」


「聞きたくないってば!」


 禍翅音は苛立ちを込めた視線で久留美の眼を貫く。

 直接瞳をぶつけ合い制圧を狙う起死回生の一手。この状態へと相成ったなら、後に残るは超越者アウターとしての地力のみ。即ち、どちらがより強く、自分勝手か。

 久留美の紅色の瞳から水銀の涙が零れる。禍翅音の星空の瞳から光が消えて乾いてひび割れていく。

 数秒の視線の交差、頬を朱に染めながらも眼を見開いて禍翅音へ迫る久留美。

 果たして攻防を制したのは零明久留美だった。禍翅音の瞳はくしゃりと縮んで、まぶたの隙間から乾ききった血の塊が零れ落ちる。


「嗚呼、ああ、そんな、もったいない、禍翅音様の夜空に瞬く星のような瞳! けれどああ、あんなに情熱的な目と目の語り合いをしてくださるなんて、私、そんな、嬉しくて、病みつきで、もう、絶頂ってしまいそう!」


「な、るほど……風化、劣化……全て衰えて、砂の粒に……。ようやっと分かりました。なるほど、確かに私のためにあつらえられたような能力ですね」


邪視者ゲイザーの能力の基点は瞳──これでもう、禍翅音、様は、何もできない、女の子ですっ」


 水銀を涙で洗い落としながら感激する久留美と、両眼を抑えてうずくまる禍翅音。

 それは二人の力の差を──決して埋められぬ致命的な相性の差を表していた。

 禍翅音が有する世界観は不変。辰砂しんしゃ=水銀が不老不死の妙薬として語り継がれた伝説を元に、空想を膨らませて不滅の域に達したもの。

 対する久留美の世界観は風化──即ち、変化である。現世うつしよのものはいずれ全て滅び、腐り、崩れ、ばらばらになって絶えるという諸行無常の極致。

 禍翅音と久留美の世界観は、水と油のように相容れぬ存在だった。


「わ、私、私、好きなものを傷つけずにいられないんです。何だっていつかは壊れて無くなるだろうけど、でも、私の好きなものより、私の方がきっと早く死んでしまうから。だから、好きなものが壊れた姿を見ないまま死んじゃうのが悔しくて、たまらなくて、だからものが壊れる姿を見るのが好きで」


倒錯とうさく……していますね。人の事は言えませんけど」


「だから、私、わくわく、したんです。不変がどうこうっていう貴女を、台無しにしたら、どんな風になるんだろうって」


 団子虫のように蹲る禍翅音を、久留美は嗜虐の瞳で見つめていた。

 地を這う虫を見つめるような、巣から落ちた鳥の雛を見つめるような、容易く命を奪える可哀想な生き物に対して浴びせるような視線。


「だ、だって、壊れないとか変わらないなんてありえないじゃないですか。そんな紛い物にすがってしまう貴女が、禍翅音様が、不思議で、愛おしくて、一目見たくて、嬲りたくて」


「趣味が……悪いですね。人の事は言えませんけど。私の不細工な顔を見るためだけに、随分勉強したようですけど」


「だって、辰砂しんしゃが、水銀が不変の象徴だなんておかしいじゃないですか」


 久留美は凛として言い放った。

 先ほどまでのような戸惑った吃音どもりの口調ではない、断固とした意義の主張。


「水銀を不老不死の妙薬として含んだ始皇帝も所詮は死に、賢者の石なんてものも実在しなかった。水銀が永遠の象徴なんてことはありません。ただ腐らなくて乾かなくて固まらないだけ。蒸発はするし溶けて消える。前提の時点で貴女の不変にはほころびがあります」


饒舌じょうぜつになってきましたね。そちらが素ですか? 単に、自分より長生きなものへの嫉妬──」


「──そうですよ。そうですよ! それの何が悪いんですか、私は何時心臓が止まって死ぬかもしれないのに、貴女は根拠もなく永遠だの不変だのって! 恒久こうきゅう無謬むびゅうなんて全てが死に絶えた後にしか存在しない、なのにそんな無意味に胸を張っていられる! だから私は貴女が不思議で、嫌いで、興味深くて、大好きで、壊したらきっと素敵な声でいてくれるんだろなって思って」


「それは……すみませんねえ。泣かせ甲斐が無くて」


「だから──、私は無造作に禍翅音様の願いを踏み、にじります」


 久留美は禍翅音を蹴りつける。

 細く白い裸足は絹のように柔らかく非力で、禍翅音の身を傷つけるには到底至らなかったが、それでも久留美は禍翅音を蹴り続けた。


「私は、全ては衰え滅び去るという、れっきとした事実で禍翅音様の不変を否定します」


 その顔には瞳から零れ落ちた水銀の跡。

 目尻から滴る鈍い灰色は、消えない涙跡として彼女の頬に残っている。


「だって、私ももうじき死ぬんだから。何であれ劣化し、やがては腐って消える。それを何よりもよく知ってるのは私なんだから! だから、私は夢絵空事を言ってるような馬鹿な人を虚仮こけにして、笑って、それから一緒に逝ってほしい! 道連れが欲しいの、だから貴方を崩してばらして、粉々に──」


「──ですから」


 不意に、禍翅音が口を開く。

 瞬間、久留美のももから下は銀朱ぎんしゅ色に染まり、一つの鉱石へとなっていった。

 思いきり蹴り上げようと足を延ばしていた久留美は、関節の固定に伴ってバランスを崩し倒れこむ。

 伏した頭をぶつけた先は砂のベッド──ではなく、硬く容赦のない辰砂しんしゃだった。


「私、一方的な矢印かんじょうを向けられるの嫌いなんですよ。そういう破滅的な執着は他所に向けてください。お酒の肴にしますので」


「いっ……たぁいぃぃ……!! な、あんでえ……眼はだめになったのにい……!」


「ごめんなさいね。私、眼も良いですけど耳と頭も良いんです。しかとこの耳でるなりるなりさせて頂きました」


 『禍翅音理論:熔融解剖サイコ・アナルシス』。『診る』と『見る』は同じ発音であるため、その意味は混同され、行為と意味は共通化できる──そんな言葉遊びから、耳に入れた情報で対象をる禍翅音の能力。

 響く足音と打撃の精度から久留美の脚を察し、その衝撃で擦れ合う足元の砂粒を察して、それぞれに邪視ゲイズと同様の効果を及ぼす──邪視者ゲイザーの弱点である視界の遮断をものともしない悪戯ずる超越能アウトレンジである。


「足元とかその他諸々がお留守でしたね。勝って兜の緒を締めよとか習いませんでした? ああ習わなかったんですね。その様子だと学校で勉強とかしてないでしょうし」


「そ、そんなことっ」


 額の血を袖で拭いながら久留美は起き上がり──そして愕然とした。

 乾ききって朽ち果てたはずの禍翅音の瞳が、爛々と紅紫色マゼンダの星空を映し出している!


「嘘でしょ」


「本当です。私は一度も負けてませんよ? 増長して色々吐いてくれるかなーと思ったので、適度に油断しておきました。嫉妬と憧憬しょうけいと期待から生まれた手前勝手な愛憎の巨大百合感情御馳走様でした。まあよりにもよって私向きだったので-1000000禍翅音ポイントですけど。有難く妄想リストに加えておきます」


「な、なんで!? 貴女の、禍翅音様の世界観は否定したはずなのにっ」


「だって貴女の世界観、単なる事実の羅列じゃないですか」


 形あるものはいずれ滅びる。地球でさえも数億年後には太陽に飲み込まれ、宇宙もいつかは縮小して消え去るか、際限なく広がり続けて破裂すると言われている。

 未来永劫存在し続けるものなど何一つとしてない──それは誰もが知っている当たり前の事実だ。


「なら、貴女が信じているのは自分ではなく、世の中の法則です」


「自分、では、ない?」


超越者アウター同士の闘争は身勝手な自分世界観ルールの押し付け合いです。超越者アウターの良し悪しは、如何に自分を取り巻く現実を否定して空想に染まり切るか。史実などという下らないものに依存した世界観ルールを作った時点で、あなたは超越者アウターとしては二流です」


「な、何ですかそれ! 禍翅音様だって、後世に残った逸話なんかが元ネタじゃっ」


「ええ。逸話は空想の御伽噺おとぎばなしとして否定されました。けれど私はそれが真実だと信じている。科学的に考えればそうなる訳はないという常識を前提に、けれどそのつまらない科学を否定して幻想に身を委ねる──それこそが超越者アウターであり、我々です。我々の紀元は、現代社会の欺瞞を暴くことから始まるのです」


「お、オカルトマニアの言い分じゃないですか!?」


「そういうことです♪」


「こ、子供の妄想と同レベル──」


「そういうことです! 講義終了!」


 禍翅音は久留美の瞳を覗き込み、彼女の紅の瞳を銀朱ぎんしゅ辰砂しんしゃへと変貌させた。

 久留美の邪視ゲイズは効力を失い、果たして彼女は死を待つばかりの病弱な少女へと再び舞い戻る事となる。


「常識と言う眼鏡で私達の世界は測れはしない──所詮世の中なんて、私を信じる私の敵ではありません」


 激痛に身を捩って泣き叫ぶ久留美に目もくれず、禍翅音は虚空の敵を想像した。

 青龍あおだつ夏我美かがみ

 何故このような刺客を送り込んできたのか。如何にして久留美に能力を与えたのか。禍翅音が夏我美に疑念を抱くように、夏我美もまた禍翅音を排除したがっているのだろうか。

 そもそも、


「本当に禍津星マガツボシの人員が待ち構えているだなんて。他の神群しんぐんはさておくとしても、彼女は私の敵ですね。私、変に意識されるの嫌いなんですけど」


 誰かに言い聞かせるかのように、禍翅音は空虚に独り言ちる。

 二人の激戦が終わりを告げたことで、工場内の景色も元に戻っていた。

 砂と成って崩れ落ちた壁面、水銀と化して零れ落ちた天井──熾烈しれつな攻撃に晒された傷跡を残したまま、廃工場はその場に佇む。

 外に目を向けると、そこには誰もいなかった。ここへ連れてきた天津星アマツボシの同志、白樺加賀利の姿も既に無い。


「ああ、イレギュラーは有りましたけど。どうやら首尾よく目標は達成できたみたいですね」


 未だ絶叫を続ける久留美を背負い、帰路に付きながら禍翅音は呟く。

 まるで先の闘争など何一つ無かったかのように。


「私がお膳立てできるのはここまで。後はお二人次第ですよ──可夢偉様」






-----------------------------------------------






禍「というわけであとがきスバル。本日のゲストは満を持して加賀利様です、どうぞ~♪」

加「待って私なんか行方知れずになってますけど大丈夫ですかこれ!?」

禍「大丈夫です。ここに出たってことはまだ生きてます。ふぁいと、おーですよっ」

加「何の保証にもならないっ!」

禍「まあ何はともあれ無駄なYES/NO枕回を挟んでいよいよ! あとがきデビューですが今の気分はどうですか? ワクワクですか? ウキウキですか?」

加「いやこんなん書いてる暇あったら本編進めてください」

禍「禍翅音ビーム!」

加「眼からビーム!?」

禍「これはあとがきだからできる荒唐無稽で特に本編に実装もない単純な暴力攻撃です。以後不真面目な事を言うたびにこの手の制裁が実行されますよ♪」

加「どういう訳で!?」

禍「まあ今回の本編の内容はどうでもいいので次回がどうなるかが今から楽しみって感じですね! 可夢偉様と加賀利様、二人が相対していたはずなのにいつの間にか消えてしまうだなんて……愛の逃避行!? とかそんな感じの駆け落ち題名が付いちゃったりして、わくわくうきうき」

加「ワクワクウキウキしてるの禍翅音さんじゃないですか。どこの誰かも知らない男の人に付いていくほど非常識じゃありませんよ私」

禍「そうやって油断してるのが一番危ないんです。おのぼりさんのまま池袋西口の夜を散歩しちゃうくらい危ない──待って? 今その手の詐欺に引っかかって泣きながら花芽智様に電話しちゃう現パロ平和時空の姉妹モノを幻視しました。ちょっと待機していてください」

加「現パロもなにも元から舞台は現代でしょ! 他人で遊ぶの止めて下さいよ、自分が使われたら怒るくせにー」

禍「他人の不幸は蜜の味と言うじゃないですか!」

加「言い切ったなこの人」

禍「いやーあの久留美さんも加賀利様辺りに執着してたら美味しく頂けたんですけど。なんでよりにもよって私の方向いてきたんでしょうね。私は破滅を見るために人に干渉するのは好きでも、勝手にくっつきに来て自滅する人は嫌いなんですけど」

加「知りませんよそんなの。天罰かなんかじゃないですか?」

禍「……私は加賀利様がそんな今どきのドライな女学生っぽい感性を持ってるくせしてあんなに超越者アウターとして上手くやってけてる理由が気になって仕方ありません」

加「えー? あれは……風神様の力をお借りしてるだけなので、特別な要因はありませんよ」

禍「あっこの娘素で風神が存在して自分に力を貸してくれると思ってる!? 恐ろしい子……!」

加「ここ毎回こんな話するんですか?」

禍「禍翅音ビーム!」

加「また眼からビーム!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る