その捌:澄んだ眼差しの堕つる時
対峙の時!
マガツボシ最高幹部、
「ンンだこの全身コート野郎がよォ。透明人間の真似かなんかかそりゃァ? 真夏にその恰好、見てる方が暑くてたまんねーぜコラ」
それを見て我先にと足を踏み出したのは
腕をぐるぐると回し準備運動を行いながら、対面する相手をぎらりと鋭い瞳で睨みつける!
それを言う華撫羅の恰好も漆黒のスーツという暑苦しい格好だったが、彼はそれを棚に上げた!
「ずーっと逃げ隠れしてた割にはいきなり
『グリズリー・テンプル』と叫びながら、華撫羅は大きく振りかぶって全力のストレートパンチを放った!
幻影の拳は2m大の巨大な塊となって刈留魔へと迫る!
しかし刈留魔は僅かに身を逸らし幻影へ裏拳をあてがうと、迫る拳を受け流し近接格闘の間合いへと踏み込んだ!
互いの息が触れ合うかの距離まで接近した刈留魔は、徒手空拳によって相手を屈服させるべく拳を握る!
「近づけばその大振りは無意味だな」
「わかった口聞いてンじゃねーぞコラ!!」
対する華撫羅もまた腰を落として殴り合いの姿勢へと移行!
風切り音と共に到来する刈留魔の拳をダッキングの動作にてかわし、反撃のアッパーを仕掛ける!
対する刈留魔はそのアッパーを掌を重ねて掴み取り防御! しかし続く華撫羅の膝蹴りを鳩尾に放たれ、微かに呻き数mの距離を取った!
「近づけばァ? 何つったっけェ~~~全身コートさんよォ~~~!!」
「油断ならぬか。そうでなくては。そうでなくてはだぞ、重明華撫羅」
「何俺の名前知ってるワケ? ストーカーか? キモいんだよ
「断る」
刈留魔は再度地を蹴り華撫羅へ接近!
対する華撫羅は相手の土俵での勝負を拒み短い高速のジャブにて牽制をかける!
『グリズリー・テンプル』による幻影の拳が、音を置き去りにして無数に出現! そのまま直線を描いて刈留魔へと迫りゆく!
しかし、刈留魔の仕込みは既に完了していたのだ!
「『
極僅かな口の動き、それこそ瞬き一つの間に刈留魔の詠唱は完了した!
ただそれだけの簡素な動作で、刈留魔の能力は形を成す!
「……がッ!?」
ジャブを放った華撫羅の体勢が、全くの前触れなく揺るぎだした!
目に見えぬ打拳を喰らったかのようにふらつく華撫羅!
奇妙奇天烈極まり無し! 無音無動作のうちに、刈留魔は華撫羅へ打撃を加えたとでもいうのか!?
その隙を逃さず刈留魔は、高速の手刀にて華撫羅の首を狙う!
しかし、その掌を貫いた極小の針によって、刈留魔の攻撃は中断された!
「ぬ」
「余所見してんじゃあないぜ伊達男さんよ!」
目にも止まらぬ高速の攻防に割り込んだ可夢偉は、手に無数の針を携えて刈留魔を睨みつけていた!
位置取りは刈留魔の丁度側面! 近接攻撃しか出来ぬと踏んだ可夢偉は、前後衛ではなく多方向からの攻撃が有効と判断し不意を突いたのだ!
「余所見か。そう見えたか。では私もまだまだだな」
「あに? ……んっ!?」
「対処が必要なかったというだけの事だ──」
刈留魔、可夢偉を一瞥!
すると可夢偉の掌に突然針で刺したかのような痛みが到来した!
見れば、掌には点々とした小さな傷跡が無数に生まれているではないか!
これは如何に!?
「掌だと……そうか、お前の能力は呪詛返しか何かだな?」
「勘は悪くないようだな。それは『制裁』だ。私が味わった苦痛は、全て実行者の元へ還る。それが
それは、これまでの能力分類に定まらぬ異端の
彼の能力『
唯一つの単純な能力によって相手の動きを制限する、
「いや
「『行為』と『結果』と『報い』の三つ、その全てを指して
「やべえこいつ
「つまり、私の出番ですねっ」
戦慄する可夢偉の背後から現れたのは、両腕を
緊急事態と見た可夢偉は、事前に禍翅音の能力制限を解除し、戦力として加えていたのだ!
「『禍翅音理論:
対する刈留魔は姿勢を獣の如く深く落とし、禍翅音の死角からタックルを仕掛け転倒を狙った!
果たして刈留魔の目論見通り禍翅音は転倒したが、辰砂となった腕で大地を支えバク転を行うことで続く攻撃を回避!
辰砂=賢者の石=不変そのものという自己認識を元に生成された辰砂の腕は、倒立の反動を一切身体に伝えることなく自由な駆動を可能とする!
なおも禍翅音目掛けて回し蹴りを仕掛ける刈留魔、だがそこに華撫羅の放った幻影の拳が到来!
追撃は不可と断じた刈留魔は迫る拳を蹴り付け、反動にて跳躍! 一同から距離を取ると、再び姿勢を低くし目にも止まらぬ速さで地上を駆ける!
休憩を知らぬ超高速の格闘戦! 仮にタイマンにて相手をしていれば、相手は絶え間なく続く刈留魔の攻撃によってとっくにグロッキーとなっているだろう!
「鬱陶しいんだよチョロチョロ野郎がァよォーーーッ!!!」
激高した華撫羅は、手当たり次第に地面へ拳を叩きつけた!
駐車場のアスファルトは破砕し、破片が上空を舞い地盤を崩す!
必然、刈留魔の走行ルートは制限され、禍翅音は刈留魔を迎え撃つべく、
「さあさあさあ、私の目と腕から逃れ得るでしょうか、伊達男様!」
「得るとも。『
刈留魔は更に地を蹴り上げ加速! 滞空したまま高速で宙返りを繰り返し破片の一切を弾いていく!
弾かれた破片は禍翅音の視線上へと
対する刈留魔は回転の速度を増していく! そして速度が極限へ達したところで、致死威力の踵落としを放った!
両腕を重ねたクロスチョップの構えで豪速の踵を受け止める禍翅音! その腕は『
「そっ首頂く!」
刈留魔の叫声を辛うじて聞き届けた禍翅音は、辛うじて両腕を側頭部へ持ち上げ続く手刀の攻撃を防御!
しかし、その手刀に必殺の威力は無し! 刈留魔は、禍翅音の不壊の腕を軸として身体を滑らせ回転し、コンマ数秒の間に背後へと回る!
絶対絶命! 刈留魔はもう片方の左腕を引き、宣言に違わず禍翅音の首を突き崩さんと構える!
しかし、その腕は背後より迫った
「悪ィな……数の利ならこっちが上なんでね!」
『
悪寒を感じ一同から距離を取る刈留魔、だが思考を整える間もなく左腕が突然に極められ、前触れなく現れた重力によって地に倒れこむ!
その背には背恰好の低い少女の人影! しかしその人物にとって人間一人を蹴倒す程度は容易であった!
「
彼女は可夢偉の放った
花芽智はすかさず刈留魔の左腕を固め腕ひしぎの形へと持っていくが、それは同時に花芽智の腕をも破壊へ至る道であった!
『
「あっぐ痛痛痛、や、厄介極まり無いなこ奴!!」
「寝技・関節技の類だろうと私には通じん!」
即座に身を起こし、刈留魔は花芽智の拘束を脱出!
しかし、その僅かばかりの時間稼ぎは、十分な成果を出していた!
禍翅音の辰砂の腕が、刈留魔の右腕を両断したのだ!!
「む……ッ!!」
血液をまき散らしながら宙を舞う刈留魔の腕!
しかし、これだけの大怪我を負わせれば、『
例え己が再起不能へ追い込まれたとて、必ず相打ちへ持ち込む刈留魔の御業、恐ろしいことこの上なし!
……だが! 禍翅音の腕は効果を受けず、平然として胴体と運命を共にしていた!
「ふふふ。今現在の私の腕は永遠の象徴、不壊にして絶対の不変。インド哲学だかなんだか知りませんが、異教の言葉など何の意味もありません」
「……よく喋る女だ」
禍翅音のインチキめいた自己認識により、『
人外の能力を誇る
最早恐るるに足らずと思ったか、禍翅音は手慣れた死刑執行人のような無感情な足取りで、刈留魔へと近づいていった!
その瞳は暖かな
「最高幹部さん、思ったより練度が足りないですねえ。マガツボシって実は人材不足なのでしょうか?」
「ふ。言っておくが、私は
「貴方も結構よく喋りますね、テンプレ台詞ありがとうございます。まあ、せっかくですしお仲間の事を聞きだしましょうか。放送で貴方と一緒だった人たちの事、特に、あの小っちゃい魔女さん──」
と、禍翅音が尋問を行おうとしたその時!
突然に空が暗く染まり、快晴の青から深夜の黒へと移り変わった!
紙芝居のようなパステル調で描かれた夜空に、煌びやかな星々が瞬いている!
同時に、周囲に鬼火の如き無数の
色とりどりの色彩を放つそれは独りでに動き出し、さながら百鬼夜行の如き様相を醸し出していた!
「あぁ!? 今度はンだよ!? くっそ次から次へとワケわかんねーぞ!!」
「なんだこれ、
狼狽する一同! その中で一人、禍翅音は愕然として周囲を見渡す!
その顔からは笑みが消え、珍しく焦燥が浮かんでいる!
「これは……いや、これも
術者の世界観に呑まれたか、不明瞭なことを口走る禍翅音!
そしてその隙は、致命的な
夜空の星の一つが流星の如く舞い降り、そのまま禍翅音へ向けて急接近してきたのだ!
「がぐっ、」
自動車より尚も素早い何かによる体当たりを受けた禍翅音は、そのまま流星に運ばれ彼方の宙を飛ぶ!
腹を引き裂くような衝撃を受けながらも、眼前の対象を無機物に変えんとして
その瞳が見たものは、箒に乗った幼い魔女! 明藍色の髪と瞳を輝かせて、チュロスを齧る少女の姿だった!
禍翅音は、それを見て再度驚愕した! その少女は、先の放送にて刈留魔と共にいた者の一人だったのだ!
「あな、た、あの放送に、居た、子……
「大当たりっ! いやーやっぱりよくものを見てるねえ、さすが
「ぐ、図に乗るんじゃない突撃娘が──」
穴が開くほどに眼前の少女を見つめる禍翅音! しかし、少女は
ならばと両の腕で身を貫く箒を掴み、少女の身を直接手折らんと近づく! しかし、その努力は無駄に終わることとなった!
「『Trick──』」
少女がその言葉を口にした瞬間、禍翅音の腕が弾け飛ぶ!
『
「『& screaming──』」
続いて、禍翅音の瞳は虹色に輝くガラス玉へと変貌する!
視力を喪失し、悲鳴を上げる禍翅音! しかし、更に加速した箒による重圧で、声を出すことさえままならず!
「『night』ッ!!」
そして禍翅音を貫いた箒は、地面へ垂直に突撃し、轟音と共に激突!
胴体を真っ二つに分断され虫の息と化した禍翅音を背に、少女は悠々と着地した!
「まだ息がある? 思ったよりしぶといなあ、まるで寝床を飛び回る羽虫みたい。 あ、禍翅音の翅ってそういう意味かあ! すてきーっ」
明るくおどけてスキップする少女だが、その力量は圧倒的であった!
その絶大な
「というわけで皆様今晩は、素敵な不敵な夜にようこそ! 今夜の主役はこの私、
花芽智、可夢偉、華撫羅の三人は身を引き締めたが、その覚悟が無意味であることを痛感していた!
恐らく、夏我美と名乗った眼前の少女の異能は、超強烈な
一度相手の領域へ取り込まれた時点で、まともに抗える術は無いのだ!
「も~っ、刈留魔クンってばカッコ悪い~。あんな声明出しておいて、そのザマはちょっと無いよ~。引いちゃうよ~。激ダサ丸だよ~」
「救援には感謝するが、その必要は無いと分かっていただろう。わざわざお前までここに来ることはあるまい」
「そのケガした格好がみっともないって言ってるの! もう、プンプンだよ。プンプンだからね。激おこだからね」
ぼやきながら立ち上がる刈留魔。やはり、二人は完全な協力関係にあり、少女夏我美は仲間の危機に駆け付けていた!
そして、
そして、おお、なんということか! 刈留魔の両腕は、健在であった!
先ほど禍翅音が切断したにも関わらず、いつの間にやら刈留魔の身体には傷一つ付いていないのだ!
「なんっだその腕、それもハロウィンのまじないか!?」
「いいや? これは純然たる私の力。名を『
「通訳するね。つまり、刈留魔クンはダメージ反射で消耗戦を仕掛ける一方で、自分は完全回復できるクソゲー体質なんだよ!」
「ざッッけんなバーーーカ!!!!」
驚愕!
連携により追い詰めたかと思われた先程の形勢も、彼は僅か数秒の隙さえあれば白紙に戻せると言う!
これを理不尽と呼ばず何と呼ぼうか!
そして、たった今、背後から響いていたマガツボシの放送が次の段階へと進んだ!
録画によって進んでいた映像は、戦闘の終焉と共にクライマックスへ至る!
『理解して頂けたでしょうか? わたくしたち
『これだけ見れば嫌でもわかるやろ。抵抗は無意味、戦闘は無価値、ワイらの行動に口出しなんかだーれもでけへん』
『左様。
『そうそうっ、私たちの前に敵はなーし! ……けどけど、たった一つを除いてねっ☆』
「お前ら、まさか」
「まさかであろうよ」
「まさかでしょっ?」
「まさかでしょうね」
「まさか、ゆうてな」
不意のぼやきに対応する
背後を振り返ると、さらに二人の人物がそこに立っていた!
それは、今まさに放映中の画面に立っている四人の男女そのものの姿!
「「「「我らマガツボシ
『『『『日本国超能特殊自衛隊、
一糸乱れぬ四人の
それは
日本そのものを敵に回す、恐れ知らずの世迷言に他ならない!
『
『
『古くて
『というわけで皆々様、前向きに検討してくれると嬉しいなーっ、なんちゃって』
『
放送が途切れる。
夏我美の作り出したハロウィーンの夜は消え、上空には再び曇天が広がっていた。
辺りは静寂に包まれ、風の
睨み合う三者と四者。倒れ伏した禍翅音とその他サービスエリア利用客を背に、花芽智らは冷や汗を流し眼前の敵を見つめている。
その均衡を破ったのは、相手の剣呑な一言だった。
「というわけで、遅ればせながら自己紹介させて戴きます。
「三番目の
真紅の制服に身を包んだ黒髪長髪の美人、そして漆黒のバイクスーツを纏った無精な男。
刈留魔と夏我美を合わせた四人こそが、マガツボシの最高幹部
果たして、この四人を相手に立ち回り生存を勝ち取ることが出来るのか?
不可能である。
「刈留魔クン刈留魔クン。格好つけちゃったけど今思うと割と恥ずかしいよ。だってこの人たちぶっちゃけ木っ端職員でしょ。私達と最初に接触しただけで。なんか、誰もいない体育館でポーズ決めちゃったみたい」
「誰が無人の舞台だコラ……」
「きゃっ、こわくなーい」
年端にも満たぬ少女の茶化しが、まるで冗談にもならない。
圧倒的な力の差が、両陣営の前には存在していた。
夏我美の能力『Trick and screaming night』が解除されたことで自我を吹き返した禍翅音が身体を修復しながら立ち上がるが、それでさえも慰めにならない。
数の優さえも覆された今、一同に未来は無いのだ。
いや、無かったと言うべきだろう。
「案ずる必要はない。全て聞き届けている。何しろ奴のことだ、今すぐにでも重い腰を上げてくる」
「奴って誰?」
「知らんけど」
「刈留魔さん、無駄に意味深なこと言う癖止めてください。意味がわかりません」
「すぐに分かる」
「これだよ……」
果たして、刈留魔の予感は的中した。
今や廃墟と化し無人となったはずのサービスエリアより、唐突に何者かが現れたのだ!
天を突かんばかりの巨躯に、肥大し盛り上がった筋肉質の肉体。胸元で組まれた両腕は硬質な機械義肢。
獅子の如く伸びあがったの頭髪と顎鬚は、
太陽色の浴衣に身を包んだその姿は、神話に語られる勇士の如く。腰に掲げた大太刀は、
背に編み笠を被った
「よくも好き勝手にやってくれたな、マガツボシの下郎共。この
彼の名を、
日本中に二番目に存在が確認された
「ち………………、父上」
そして、
-------------------------------------------
「禍翅音とっ」
「可夢偉の」
二人「なぜなにスバル~!」
「いや~急進! なんだかトンデモなことになっちゃってますけど、大丈夫でしょうか? っていうか私、大怪我してなんかそのままっぽい空気ですけど大丈夫ですか? 治療はしてますけど」
「知らね。な~んも知らね。もうどうにでもな~れって感じ。そもそもお前結構な活躍してたじゃん。俺と花芽智見てみ? ここ最近なんもしてないよ。サポート役に徹しすぎてなんも出来てないよ。圧倒的火力不足だよ。ホークアイかよ」
「花芽智様は火力ありますしまだ隠し種もありますよ? 丁度お父様も出てきましたし。今何のコテ入れも無いのは可夢偉様だけです」
「おっと心は
「華撫羅様でのおまけパートも検討したんですが、私と絡ませるとボケとボケしかいなくて進行が難しかったようです」
「ずっとボケボケしてろよ! 俺知らねーよ! 俺だって花芽智と一緒にこれやりたいんですけど!?」
「まあっ、まさか先日の私と花芽智様の担当パートに嫉妬してっっ……???」
「してませんけどー!? なーんもしてませんけど!」
「そういうことにしておきましょうねごちそうさまです。ではお便り行っちゃいましょう。どうぞ」
「ぶっちゃけお便りとかいう重箱の隅つつきもずっとやってるとネタ尽きてくるんだよな」
「あえて世界観に突っ込みどころを残しては」
「無理」
「探偵法とか」
「無理」
『
「ほーら無理やりひねり出したような質問になったぞ」
「うーんまあ次回の課題ですね」
「はい、
「
「それとは別に大規模な事故や災害っていうのにも注目はしてるね。まあ覚醒を見過ごす可能性も十分あるしね。前回の女の子がやたら暴走してたのは、なんでも持病と併発しちゃったのが原因らしいよ」
「先日の銀行のビームや鉄化の一軒みたいに派手なのもいますけど、基本は隠れ潜みますからね。暴力団の戦力として雇われることもあるという事で、犯罪者を見つけ出すのは困難を極めます」
「だから事故とか異常現象とかそういうところの調査が欠かせないわけだね」
「はい」
「……ほら! なんか当たり障りのない感じになっちゃったじゃん!」
「うーんむつかしいですねえ。可夢偉様、ボケてっ」
「無茶ー!」
「しかし四天王? じゃなくて四大神翼? じゃなくて
「鏡見ろ。お前もかなり恥ずかしいからな常日頃。なんか、天罰を加えるとかそういうイメージがあるんじゃない? 知らないけど」
「神様が天罰ですって。ユダヤ教徒の方々なんですかねえ」
「……あいつらそこまで考えてないと思うよ」
「でもでも、彼らすごい拘りでしたよ。あの刈留魔様という方、なんか仏教的な何かをやたら口にしていましたし」
「いやあれなんか違くない? 違うよね? 個人的な解釈が大いに混じってるでしょ? 知らねーからな俺もう」
「それに、四人揃って宣言しちゃったりとか、カット編集して
「……したんじゃない?」
「途端に庶民的に見えてきますね!」
「やめたげて?」
「彼ら、日常生活どうしてるんでしょうねえ。バイカーっぽいかぶと様やお嬢様っぽいかぐや様はともかく、全身コートの刈留魔様やあの魔女っ子めいた夏我美とかいう子の日常どうなってるんでしょう」
「やめたげな?」
「給料出るんでしょうか、マガツボシ。実は案外アットホームな職場だったりして」
「それ結構な人間が死ぬからやめよう? ね?」
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