出動、ミチル企画運営陣!
「まあ、なんという事ですの!?」
システム開発者のりんこちゃんは驚愕した。
夏企画に関する問い合わせが殺到しているのだ。夏企画は本当に中止なのかと不安に感じる人達からの問い合わせであった。
事の発端は主催ミチルのツイートだ。
”夏企画は中止なのだー。ミチル企画は滅びるのだー。”
「いったい何をおっしゃいますの!?」
りんこちゃんは紫色のロングヘアーをかき乱しながら、うめいていた。いつもはきちんと整えているメイド服は、よれよれである。
何かおかしいと考えてミチルにメールをしてみたが、なしの礫だ。
「ミチルの隙をついて脳内に発信機を仕込んでおきましたが、どこに向かっていますの?」
ミチルの行く先よりも謎な言動があったが、りんこちゃんは気にしていない。
りんこちゃんはパソコン画面を食い入るように見つめていた。
そこには、日本地図上を動く赤い点があった。
拡大すれば、静岡県の東部に向かっているらしい。
「移動速度を計算すると、新幹線に乗っていますのね。こんな時にのんきに旅行ですの?」
赤い点が急にゆっくりになった。
「熱海駅で降りましたわ」
ふと、りんこちゃんのスマホが鳴る。
少佐だ。
ミチル企画運営陣きってのミリオタである。緑色の軍服とタイトスカートがエロかわいいプリティーボイスの少女である。
「りんこ殿、大変な事になったである」
「そうですわね」
「ミチル殿が逃亡したのである」
「追跡しましたわ。熱海ですわ」
赤い点はスピードを増した。タクシーに乗ったのだろう。
りんこちゃんの瞳に怒りが宿る。
「こんな時に何をしていますの」
「りんこ殿、ミチル殿は言葉が届かないようである」
「熱海の温泉につかりたいですわ!」
「力づくで連れ帰るである!」
目的が微妙に異なるかもしれない二人も、熱海に向かう事になる。
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