第14話 夫婦って何? ツー

夫婦って何 ツー


 ケイが

「進化論から、一夫多妻が優秀な子孫を残すっていう話をしますと。では、動物で一夫多妻の種は、なんだと思いますか?」


 カオリが頭を抱えて

「ええ…その…」


 ケイが

「ライオン、オットセイ、アシカ等です」


 カオリはハッとして

「ええ…そうです!」


 ケイが

「ニホンザルも…そうだと言われて言われていましたが…違ってきているみたいですね」


 カオリが胸を張り

「そうです! 一夫多妻の動物は、大きくて強い動物が多いです」


 ケイが

「じゃあ、その動物がどこに住んでいるんですか?」


 カオリが

「ええ…アフリカとか、南極とか…」


 ケイが

「そう、限られた地域にしか住んでいません。結論から申し上げましょう。一夫多妻の動物は、自分が最強でいられる環境だけでしか生きられません。あれあれ? おかしいですね…進化の優勢を示したいのに、特定の環境でしか生存できないなんて…優れていると思いますか?」


 カオリが首を傾げ…

「それは…その…確かに…そこから離れると弱くなるなんて…優れているとは…」


 ケイは頭を振り

「こういう事です、一夫多妻は、その環境で一番に強い生命を生み出せはできるも、その環境が激変した場合は、即座に絶滅します。じゃあ、人類は…世界の何処にでもいますよね」


 カオリが

「でも、人類だって昔は、一夫多妻だった時があるって!」


 ケイが呆れで俯き

「それは、人類がまだ、動物、サルと同等だった数千万年前の事ですよ。遺伝子の中に、その動物程度だった頃に名残が残滓と残っている程度の話なんですよ」


 カオリが

「でも、一夫一婦の動物なんて」


 ケイが

「いますよ。狼とか、鳥とか、シャチとか、鯨とか、ネズミとか、上げれば切りがない。そして、一夫一婦の種は、地球上のありとあらゆる場所にいる。これは事実です」


 カオリが

「つまり、一夫一婦制の方が、生き残るのが高いって事ですか?」


 ケイは肯き

「その通りです」


 カオリが

「でも、偉い武将とか、資産を持っていた人や、偉い人達は」


 ケイが

「その子孫達は、今、どうなっています?」


 カオリが堅い顔で

「すこしくらい…生き残って…」


 ケイが

「殆ど、稀少なくらいしか、残っていませんよ。それも大幅に力を落として、新たに当代した権力者や、資産家に組み込まれてしまっていますよ」


 カオリが

「でも、歴史から一夫多妻はあったのは事実ですよ! 今だって形態は違うけど、やっている人達はいますよ!」

 

 ケイが

「それは事実です。その事実を踏まえて、今現在も一夫多妻になった女性は、相手の資産の分け前が欲しくて、一夫多妻にいるんですよ」


 カオリが

「でもでも、金持ちは、離婚しませんよね!」


 ケイが頭を抱えて

「いいですか。今の時代、慰謝料として資産を貰えるのですよ。金持ち、資産持ちだって通常のように三分の一の夫婦は、離婚します。さらに一千万円以上の収入がある男性と結婚している女性の40%は離婚したいと思っているらしいですよ」


 カオリが迫り

「教授は、夢を潰したいんですか!」


 ケイは頭を振り

「事実を申し上げているだけです」


 カオリが鋭い目線で

「それじゃあ、女の人が悪いみたいに聞こえますよ」


 ケイはキョトンとして

「いいえ、悪くないですよ。それが普通ですから。人間のサガですよ。自分で作り出すより、持っている者から分けて貰った方が楽なんですよ」


 カオリが

「じゃあ、教授は、女の人でも資産や権力、お金を持っていれば、一妻多夫でもOKなんですか!」


 ケイは肯き

「ええ…構いませんよ」



 続く

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