第15話 夫婦って何? スリー

夫婦って何? スリー


 カオリが

「ヒドい! セクハラ! パワハラ!」


 ケイが

「私は、セクハラもパワハラもしていませんし、ヒドい事も言っていません。事実を申し上げているだけです」


 カオリが

「そんな、奥さん一人にたくさんの男の人達なんて! 昼ドラより、ドロドロするじゃあないですか!」


 ケイは

「実際、一妻多夫も存在しているんですよ。限定された地域で…」


 カオリが

「そんなの少ないに決まっている!」


 ケイが

「いいえ、その地域では当たり前であって、人数的な事を考えると一夫多妻と同じ位ではないですかね」


 カオリが

「そんなのデメリットでしかないですよ!」


 ケイは

「いいえ、チャンと一夫多妻のように資産、財産を守るという同じ意義で機能していますよ」


 カオリは頭を抱えて

「じゃあ、夫婦って何ですか?」


 ケイは

「私は、綺麗事のような場当たり的な事は言いません。要するに、憲法にある通り、両性の合意に置いて結ばれる。お互いがそれで良しとして夫婦になる。それです」


 カオリが膝を抱え

「それじゃあ、アタシが今まで夫婦って、何か…絶対的な事のように思っていたのに…」


 ケイは眉間を押さえて

「結婚して夫婦になったとて、幸せになるには、お互いの努力が必要なのは、何時の時代も変わりませんよ。令和になった現在、離婚率は三割で高いなんて言えませんよ。江戸時代なんて、もっと離婚率は高かった。二分の一、結ばれた夫婦の半分は離婚していましたから」


 カオリが

「じゃあ、どうして夫婦って絶対ってあるんですか?」


 ケイは

「それはタダの、ヨーロッパのキリスト的価値観が原因ですよ。そのアホみたいに厳格な価値観の反動で、今、アメリカといったヨーロッパの影響を受けた国々は、男女平等や、metooといった問題が弾けているでしょう。ヨーロッパから始まった系統は、優秀な方達とは思えませんね。過去に世界中を植民地にして、奴隷制度を作ったり、貴族と平民の階級社会を作ったり、ヨーロッパはヨーロッパで民族により民族浄化という粛清をしたり、ヨーロッパを合理的と思うなら、その歴史を振り返って欲しいですね。まあ、日本も言えた事でもありませんが…」


 カオリが

「そんな…金持ちと結婚すれば、そのお金が手に入ると思ったのに…」


 ケイが顔を引き攣らせて

「そんな動機で、金持ちとの結婚を考えているなら…止めといた方が良いですよ」


 カオリが

「でも、私の両親も、みんなの両親も、しっかりと夫婦をしてますよ!」


 ケイが

「それは出来るから出来たんですよ。出来る人がいる影で出来ない人だっているんですよ。出来ない人は、出来ない人なりの人生を歩んでいるんですから、問題ないでしょう」


 カオリが頭を抱えて

「それじゃあ、何が夫婦の形なんですか?」


 ケイが

「それはね。結ばれた二人が決める事です。どんな家族にしたいか?は、お互いがお互いに話し合って、行動して決めていくしかありません。他人に知恵を借りる事もあるでしょう。ですが、これだけは言えます。夫婦の形とは、その時代によって変化するのですよ。

 人間は変化する生き物、絶えず変化する事が生きているという事なんですよ」


 カオリは拳を掲げ

「決めた! アタシ、自分で億万長者になって、良い男達を集めて何時でもチェンジできるようにする」


 ケイが顔を引き攣らせて

「まあ、夢を持つのは…悪くは…。まあ、その夢は億万長者になる以外は止めた方が良いですよ」


 カオリが

「でも、今でも権力を握っている男性って不倫やら浮気をするんですか? それが権力の活力になるんですか?」


 ケイは遠くを見るように

「残念だけど、権力を握ろうとする男って、自分が偉いから何でもやって良いと犯罪者思考になっているんだよ」


 カオリが遠くを見て

「つまり、権力を握ると犯罪者になるんですか?」


 ケイが遠くを見て

「残念だけど、権力を握ると人は、相手の事を全く考えられなくなるからねぇ…。それって犯罪者と同じ思考回路って事だよ」


 カオリが遠くを見て

「成る程、だから何時も権力者は罪を犯すんですね」


”夫婦って何?と思った方は社会学へ”

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