第13話 夫婦って何?

 夫婦って何?


 カオリ、読んでいる人を指差して

「そこの貴方、異世界ものでオレ、ツエー、オレのハーレムなんて、現実でモテないから、小説で鬱憤を晴らしている君! 残念、現実でモテないんだから、不可能なレベルで異世界転生が叶っても、結局は同じだから!」


 ケイが

「さっそく、読んでいる人達をディスるなぁぁぁぁぁぁぁ」


 カオリが満面の笑みで

「ええ…だって無駄ですよ。この現実でモテていないんですから、どこに言ってもモテない男はモテませんって。早く現実と真実を受け入れるのが前に進むコツですよ」


 ケイが顔を引き攣らせ

「じゃあ、カオリくん、君はどうなの? 男性にモテているとは思えないが…」


 カオリは胸を張り

「大丈夫です。絶世の美女である私は、周囲の男共が、私に釣り合わないとして避けているんです! 将来、近い内に必ず私に見合う超金持ちの男が現れますから!」


 ケイが頭を抱え

「その超絶なプラス思考、全く見習いたくない」


 カオリが

「でも教授、どうして金持ちの男は、女の人をたくさん抱えられるんですか?歴史を調べると、けっこうな権力者や資産家の男達は、奥さん一人に満足しないで、沢山の女の人と通じていますよね。ローマ帝国のカエサルとか、歴代のローマ皇帝とか、オスマン帝国の皇帝とか…日本の歴史にいる武将達全員とか、一夫多妻ですよね」


 ケイが肯き

「ええ…そうですね」


 カオリが首を傾げて

「どうしてそんなにたくさんの奥さんがいたんですか?」


 ケイが眼鏡を押さえて

「どうしてだと思いますか?」


 カオリが考えながら

「女の人が財産欲しいから」


 ケイが肯き

「正解です」


「ええええええええええ」とカオリは驚き「冗談で言ったんですよ!」


 ケイは肯き

「冗談も何も、それが真実ですよ」


 カオリが困惑気味に

「でも、テレビのドラマとかで、愛憎渦巻くとか、身分違いの恋とか、大奥とか!」


 ケイは呆れ気味に

「そんなのウソに決まっているじゃあないですか。テレビの最後に何時も書かれているでしょう。フィクション、ウソの創作だと…」


 カオリが瞬きして

「でも…少しくらい…」


 ケイは呆れた笑みで

「100%、テレビドラマはウソに決まっているでしょう。この作品を書いている作者は一番、それを分かっていますよ。まあ、これを読んでくれる読者の方達もね。要するに人はドラマッチ、劇的な事が大好きなんですよ。だから、劇的になるようにウソを平然とドラマにするんですよ」


 カオリが

「じゃあ、大奥のドラマにあった。激しい取り合いなんて」


 ケイは頭を振り

「あんな事があったら、江戸時代なんて政治はできませんよ」


 カオリが顔を引き攣らせて

「じゃあ…どうして、資産を持っている男や、権力がある男は、一夫多妻なんですか?」


 ケイは眉間を押さえて

「さっきもカオリくんが答えた通り、その資産や権力を持っている男の、資産や権力を分けて欲しいから一夫多妻に入るんですよ。イスラム教徒の古い例ですが…。昔、イスラム教徒は他国、主にヨーロッパのキリスト勢と戦争を繰り返していました。その所為で夫が戦地にいって未亡人になる女性が多かった。その女性を救う処置として、資産、財産がある男性が多くの妻を抱える事を良しとする風潮があった。歴史を冷静に調べれば、一夫多妻をする男性は、相当な資産、財産や権力があった。それを分けて貰う為に多くの女性が奥さんになったんです。これは事実です」


 カオリが顔を引き攣らせて

「でも、愛はありましたよね」


 ケイは呆れた笑みをして

「ええ…財産を分けてくれるなら、愛だって演じたでしょうね。まあ、男なんて基本バカですから。女に優しくされると自惚れてアホになりますからね」


 カオリが

「でも、優秀な子孫を残す為には、力があった男性に沢山の奥さんがあった方が、進化しますよね」


 ケイは呆れで頭を振り

「いるんですよね。何でも進化論を振り翳せば、自分の論理が通るなんて…。実際の遺伝、つまり進化に関しての話をしましょう」


 続く。

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