第10話 性欲って何?
性欲って何
カオリが明るく
「こんにちは、窓際教授の社会学研究室へようこそ! そこの貴方! 毎日、ムラムラして自慰行為に耽っているでしょう! でも大丈夫、これを使えば」
ケイは必死に
「いや! ここは変な商品を売りつける、テレビ通販じゃあないから!」
カオリが微笑み
「冗談ですよケイ教授。でも、性欲って大事でしょう。特に男性は、これで頭がいっぱいのお猿さんなんですから!」
ケイは顔を引き攣らせて
「否定できないのが…とても残念です」
カオリは首を傾げ
「でも、なんで男って性欲だけで生きているんですか?」
ケイは真剣な顔で
「では、カオリ君、性欲ってどこから来ていると思いますか?」
カオリは上を見て
「う…ん、下半身」
ケイは顔を引き攣らせて
「いや、違う…と言いたいけど、でも、そういう男がいるから、否定できないのが残念です」
カオリは笑顔で
「だって金玉がついているから、性欲が湧くのであって、付いてないと湧かないんです」
ケイは鋭い目で
「残念ですが、陰嚢がなくても、男は勃起します!」
カオリが驚き
「ええええ! 種なしなのに! 去勢されているのに!」
ケイは鋭い目で
「ある程度の幼い年齢の時に、確かに陰嚢を切除されると、確かに二次成長に大きく影響しますが…。陰嚢がないから勃起しないとは限らないですよ」
カオリは困惑気味に
「でも、大学にいる男達全員は、女とセックスする事しか考えていませんよ! 種なしになったら! 子供が出来ないじゃあないですか!」
ケイが真剣な顔で
「今の文明力なら、陰嚢がなくても精子を体組織から生成できる技術があるんです! 今は、まだ、それを法律で許されていないだけで、後々にそれが許される時がくるのです!」
カオリが
「じゃあ、男はセックスしないでも生きていけるって事なんですか!」
ケイは真剣な顔で
「その通りです! セックスなんてしなくても十分、生きていけます! 寧ろ、過剰な性欲は、犯罪に走らせて人生を潰します!」
カオリが怒り気味に
「だって、某社長は、麻薬を使ってでもセックスしようとした事件があったじゃあないですか!」
ケイは悲しい顔で
「そう、そういう痛ましい事件がありました。でも、だからなんです! 性欲が強ければ世の中で成功するなんて、幻想です! 妄想です! 社会には性欲なんて必要ないんです!」
カオリが驚き
「じゃあ、なんで、男にはバカみたいに強い性欲があるんですか!」
ケイは真剣な目で
「その方が、人々をコントロールしやすいから、男はセックスが好き、女を抱きたいとして置きたいのです! ですが、残念ですが、性欲の強さと社会的成功に比例はなく、寧ろ、犯罪率と性欲の強さは比例しているのです!」
カオリが声を荒げ
「だって、数年前にとある四コマ漫画であったんですよ。性欲がなくなると社会が荒廃するって、性欲があるから世の中が成り立っているって!」
ケイは声を張って告げる。
「そんなのウソに決まっているでしょう! 性欲がなくたって、人は別の欲求をもって社会を成り立たせています! 承認欲、独占欲、見栄、その他、キリを上げると幾らでも社会を成り立たせる欲求なんて幾らでもあります!」
カオリが
「じゃあ、性欲なんて無意味なんですか!」
ケイが真剣な顔で
「カオリ君、男の性欲の8割は、思い込みなんですよ」
カオリが困惑して
「え、思い込み?」
ケイは肯き
「そうです。思い込みです。男の性欲は思い込みで成り立っているんです!」
続く。
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