第8話 会社って何 ツー

 会社って何? ツー


 ケイが

「会社は、軍隊をモデルにして作られているんだよ」


 カオリが驚き

「軍隊って、あの兵器とか戦争する。あの軍隊ですよね!」


 ケイは肯き

「その通りだよ」


 カオリが

「どうして、軍隊を参考にしたんですか?」


 ケイは

「それが最も効率が良かったんだよ。軍隊の形式を思い返して欲しい」


 カオリが

「銃を持って突進!」


 ケイは

「違う! 様々な部門に分かれているだろう!」


 カオリは肯き

「確かに…空軍とか、陸軍とか、海軍とか」


 ケイは肯き

「良く似ているだろう。今の会社というシステムに」


 カオリはハッとして

「確かに…でも、どうして軍隊が…」


 ケイが悲しい顔をして

「人類の歴史を振り返ると分かるけど…戦争ばかりだったからね。だから、どうしてもそういう組織の方が生き残りやすいんだよ。紀元前のローマ帝国の時代から、国って境が誕生した瞬間から、人類は戦争ばかりしている。そうなるとそれに適応した人物が生き残るようになり、そういう戦争ばかりを求める人類が誕生した。

 残念だけど、科学技術が発達した現在でも、人類は戦争ばかりしている。戦火のない時代なんてないんだよ」


 カオリが

「あれですね。まるで、ボスザルの戦いみたいですね」


 ケイは肯き

「残念だけど、その通りだ」


 カオリは天井を見上げ

「つまり、戦争ばかりだったから、人類は戦争をするに楽な組織を作っているって事なんですか?」


 ケイは肯き

「そうだよ。人類は、何時も何かを勝ち取る事こそ、未来が開けるとしている。本当は新しい何かを生み出す方が、未来は開けるのに…。何時も勝ち取るとして競争している。産業革命によって大量生産能力を生み出しても、コンピューターが誕生して情報システムが現れても、人類は太古から続く戦いを止めようともしない。残念だけどね」


 カオリが

「それが、どうして、会社に関係するんですか?」


 ケイが

「軍隊ってどんな事をする組織かね?」


 カオリが

「ええ…外の国へ攻め込んだり…」


 ケイが肯き

「そう、戦争する組織だ。だからこそ、人を犠牲にするように出来ている。軍隊というのは人を使い捨てにするように出来ている。軍隊は勝つために、どんな手段も犠牲さえもいとわない組織なんだよ」


 カオリが

「じゃあ、それをモデルにしている会社も…」


 ケイが

「そう、人を犠牲にして維持されるシステムなんだよ」


 カオリが

「でも、その組織内で、自分がそれにならないようにすれば!」


 ケイは鋭い目で

「残念だけど、何かを犠牲にする組織は、必ず犠牲者の番を巡らせて、誰かを、カオリ君のように逃れてる人さえも、確実に犠牲にする。組織を維持する為にね」


 カオリが

「そんなのイヤですよ! じゃあ、そんな場所から出て行きます!」


 ケイは肯き

「その通りだよ。カオリ君の考えは当然だ。故に…滅んだ国があった」



 続く


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