　硝煙や血しぶきで周りの風景が濁る。男たちが銃撃を止め、上空を見上げると空飛ぶ男のみが無傷で飛んでいた。

「フォフォフォ…人間の武器では我を傷つけることは能わぬ。くらえ！」

　空飛ぶ男の手が怪しく緑色に光る！

　──優しいそよ風が吹いた──

「グワアァー！」

　だが、僕の周りの男たちは血を吐いてバタバタと倒れ始めた。一人立つ僕を持て、空飛ぶ男が首をかしげる。

「フォ？…ヌゥ…魔法が効かぬ噂は本当であったか。“魔法公爵”アスタルテが負ける訳だ…」

　僕は筋トレでメンタルも鍛えられた。魔物たちが使う魔法（手品）など通用しない。

　おそらく、倒れた連中は何かの催眠術を掛けられたんだろう。筋トレをすれば、このような子供騙しなど通用しないのに…残念だ。

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