対決!四天王アスタルテ

「ローランよ、仲間が死ぬ姿をまた瞼に焼き付けるが良いわ!ハァー!!」


 この男の頭に角鹿がメリメリと迫り上がる。目が爛々と紅く光り、口が左右に裂け始めた。なんと、人間に化けていたのか。すごいSFXだ。


 僕が変身シーンに見とれていると、男の手が赤く光る。


 おお、何だかあったかい。





 あったかい。








 そう、あったかい。







 それだけだった。








「……あれ?…」


 不思議そうに掌を見つめるバケモノの男を僕のバットが襲う。カキンという音が男のコメカミから聞こえた。


 僕は椅子から転げ落ちた男に続けざまにバットを振り下ろす。人間じゃ無いのだ。魔物ならば、ボコボコにしても罪には問われない。

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