早く入れよ

 二人が待合室の自動ドアの前で対峙する。


 早く入れと僕は思う。


 …

 ……

 ………

 …………10分経った。


 全然動かないので、僕はしびれを切らして先に入る。僕は男の目の前まで行き、椅子に座る男を見下ろす。


「ッバ……!」


 コスプレイヤーが何か言っているが無視する。


 しかし、この男…僕が倒した魔物と比べると肉付きは良い。けど、筋肉は無い。貧弱そうだ。これなら勝てるだろう。フィジカルは力だ。


 だが、本当にこいつは魔物か? 人じゃ無いのか? 見た目が完全に人間だ。


「ふはははは! なんだお前、無防備に私の前に来るとは! 死にたいのか!?」


 近くで見ると、どう見ても人間だ。いきなりバットで殴ったらタダの通り魔だ。シャレにならない。


「クソ! 一体何を考えている!」


 コスプレイヤーが僕に勢いよく駆けてくる。でも勢いが強すぎて自動ドアが開く前にドアに激突した。何をしているんだ……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る