新幹線への道

復讐に燃える通報対象

───話は冒頭に戻る。


 ポートサイドで出会ったコスプレイヤーは四天王のアスタルテとかいう魔物を倒しに行くという。僕はこの男に脅され、渋々協力する羽目になってしまった────


 電車の中で僕はコスプレイヤーの身の上話を聞いた。


 見かけは30歳後半。中肉中背、いや、少し腹が出ているかな? どちらにしてもイベント会場以外でコスプレすることはやめた方が良い年齢だ。


 無茶は若者の特権だ。あなたのような中年男性では通報対象だ。無謀すぎる。


 どうやら彼らは魔法使い、僧侶、戦士の仲間と四天王を倒そうとしていたらしい。でも、卑劣な罠に陥り彼一人が生き延びたと言う。


 魔法使いと戦士……また出た。そんな職業あるわけがない。


 それに僧侶ってお坊さんじゃないか。なんでお坊さんが戦うんだ?念仏唱えて戦うって相手は悪霊か?


 以降も彼の身の上話を聞かされた。面倒になってきたので、適当に相槌だけ打つことにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る