優しいアナウンス

 教育的指導をして満足した僕の耳にアナウンスが聞こえてきた。


“ピンポンパンポーン“


 なんだ、ちゃんと電車が来るじゃないか。あの男たち、やはりデタラメいっていたんじゃないか。


 レベルとか言う妄言を繰り、嘘で塗り固められた人生で彼らは楽しいのか?やはり僕のように体を鍛えないから、いけないのだ。


「間も無く当駅に電車が到着します。この世に絶望した方は通過列車をご利用ください」


 ……いやなアナウンスだ。通過列車はご利用できないだろ。


 やはりここ一年で色々変わってしまった。伝説のハンバーグ……本当に今でもやっているのだろうか、少し不安になる。


 僕の不安をよそに、電車の止まる音がする。不快な鉄を擦る音が聞こえる。僕は思わず耳を塞いだ。いつ聞いても電車が止まる音はいやな音だ。


 そのような僕の心を無視して扉が開いた。

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