突破者ほぼ零
アールブルー学園にて学べる事は数多有る。そして、その数多全てが一級品である。
たとえ学生であれ学ぶ意志に溢れて貪欲に学んだ者は若くとも大成する。
淑女から魔法を教わり、
最低限の学業を修め、教養もある、家柄も良く、『外れも当たり』と言える程に信頼出来る人材が揃っている。故に、青田の内に買い占めたい。そんな連中が現れる。
貴族連中も新たなコネクションが生まれる可能性を考えて積極的になる。
生徒側も
それが『
淑女としての
「そういう訳で、当時はかなりの方々が各方面で華々しく輝いていたと聞いています。」
「へー、革新的っちゃ革新的なのかな?でも、それって今モリーがやってるのとは違うんだよね?」
「はい、条件として最高学年なので、私は来年にならないとそもそもこの仕組みを使う事は出来ません。それに……」
シェリー君が視線を遠く、虚無へと向ける。
「もしかして、今はもう存在しないのですか?
モリアーティーさんのお話を聞く限りですと、どうやら過去の話に聞こえます。」
「え?面白そうなのに?」
「難しい問題が幾つもあったのでしょうね。世間と隔絶されていた若人が急に社会に出て行くというのは中々に……」
「いいえ、違うのです。現在もその制度自体は存在しています。ただ、この制度は学園での成績と普段の生活態度が一定以上と判断された場合にのみ、外部との交渉が可能になります。
そして、現在それを判断する人物は、今行われている校外課題を提案した方、学園長でもあるのです。」
「それって……」「うぅむ……」
「その方が担当する様になってから、基準が非常に厳しくなりました。
勿論内部、生徒側の成績と普段の生活態度もそうなのですが……どうやら外部側、受け入れ側にも問題が無いかを徹底的に調べる様になったそうで……」
生徒側に関しては……言うまでも無い事だ。『学業を疎かにしては本末転倒。希望する者は学園修了課程と同等の学力がある事を示すテストを行い、規定の点数以下ならば問答無用で不許可となります。当然でしょう。』と言われ、シェリー君の先達はその殆どが撃滅されたという話だ。
うっかり貴族令嬢をメイドにしたい等という願望を叶える為に近寄ったり、箔を付ける為に飼い殺しにしたり、家自体を脅迫する為のネタ作りにしようとしたり………そうした連中の末路は壊滅。
うっかり金を掴まされて外部の受け入れ先を推薦した愚かな職員も当然、粛清された。
「という訳で、現在は難易度が異常に跳ね上がった事が原因で、淑女の零の制度は殆ど使われていません。」
「おぉ…」
「おお…」
これが、アールブルー学園の現学園長、ミス=フィアレディーである。
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