死人は見えない

 「「「「!」」」」

 4人が無言でシェリー君の元に駆け寄っていく。

 派手に吹き飛んだという事も無いが、頭に命中した。

 「オーホホホホホホゥホホホホ!先―ず一人!

 アナタ気に入らなかったのよね。何故、私の学園に居るの?

 私の学園、私の計画、私のモノ。全て、全て、私が統べる。

 アナタの様な害悪は不要…………………。

 消ィィィィィいいいいいえッ!な さ い!」

 よし、絶対に消そう。

 「お前、お前お前お前おまおまおまおまおまオマお前!許さなぁ!」

 「お前……許さにー!」

 「ぬぅ……貴様ッ!」

 「生きては……帰さないからそのつもりでのー」

 殺意剥き出しの4人、そして若兵はと言えば呆然としているばかり……。

 「だーまりなさい!ドゥッッッッ底辺共がァァァァァァアアア!!」

 銃を再び構える。

 「お前達には消えて貰う。

 容赦はしない。ここで消えて私の益になりなさい。」

 ビクリと5人が体を震わせる。そこには三頭身の不気味な冷血女が居た。

 ガチャリ

 狙撃手の懐をまさぐって予備の弾を引っ張り出して装填する。

 これで一人、犠牲になる。

 ジリジリと迫り、5人が後退する。

 シェリー君を足蹴にしてそのまま5人を壁際に追い込んでいく。

 「さぁテッ!これでアナタタッッチを始末した後で爆破。オッシマーイ!」

 大カバンの中身は当たっていた。

 あれで連中を皆殺しにして事件を有耶無耶にしてお仕舞………が筋書きだろう。

 三頭身がイヤらしく嗤い、三頭身の頭を見て、皆の顔が蒼白になる。

 「なぁ……………」

 「にー………」

 「ぬぅう~……………」

 「のー………どういう、事だ?」

 「おいおいおいおい、ジャリスさんのをどうやって………………………」

 5人が蒼い顔をして騒ぎ出す。

 「ハッ?何を言っt……………」

 ギュゥ!

 三頭身の首にしなやかな絹紐が絡み付く。

 「ガッ!グッ!ガァォ!」

 銃を取り落として両手で首を掻き毟ろうとする。足をばたつかせて藻搔く、しかし、もう既に手足に振り解く力が入らない。

 「ダメですよ、ちゃんと、殺さないと。」

 耳元で囁く声を引き金にして三頭身の手足の力が抜けていった。

 さながら、人形の様に。

 「皆さん、そちらの傭兵さんを起こして、脱出作戦を立てましょう。

 こちらには怪我人が居るんですから。」

 怪我一つ無いシェリー君が〆落とした三頭身を地面に捨てると何食わぬ顔で皆の元へと歩いて行った。

 無傷である。



 撃たれても生き延びていられた方法?

 ヒントは幾らも在っただろう?『弾丸を止めるのは不可能ではない。』なら、方法は存在する。

 存在する事前提で考えてみよう。



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