宿舎炎上編

帰還

本章は夏休み前に起きた事件を『回想』という形で書いていきます。

諸事情により時系列がややこしい事になりました。申し訳ありません。


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カタカタカタカタカタ


三人組の馬車の中でシェリー君+三人組は談話をしていた。

「アンタ………いや、無事なのは良かったんだけどさぁ、」

「そんな奴等相手に大立ち回り……学園ってのは一体何教えてんだよぉ………」

「御者席だとよく聞こえないんだがよぉ………聞き間違えですかい?『今賊を〆た』って聞こえたんですが…………」

三人組はギョッとしていた。

シェリー君の知られざる夏休み後半の物語を聞かされて戦慄していた。

「そう言えば、皆さんは一体ここへ何をしに来たのですか?試運転にしてもここに来るのは不自然では?」

そこに深い意味は無い。

今乗っている馬車は最低限の撥水性のありそうな幌、馬車、馬くらいしか要素が無く、余程複雑な構造にでもしない限り違法な物資は載せられない。

「いや………その、………」

赤毛女が動揺し始めた。

「姉さんがこの辺りで変な噂が流れてるって聞いて、シェリーちゃんが心配で蒼い顔してここまで駆けつけて来たんですがボベギアグゲヤノボォアッァァァッァァァァァァァ!」

細男が赤毛女から制裁を喰らう。

「別に!そんなんじゃない!それよりも、無事で良かった!」

赤毛がシェリー君を抱きしめる。

「おぉ?見えてきましたぜ。学園でさぁ。」

抱擁から解放されて前方の光景に全員が目を向けた。

「へぇー……良い建物じゃない。」

「綺麗なもんだなぁ……」

「まるで昨日今日建てられたみたいでさぁ。」

大男が的確な事を言う。

「えぇ、少し訳有って、夏休み前に宿舎がボヤ騒ぎ等で壊れまして………この夏休みに校舎と宿舎が建て直しになりました。」


「一体⁉」「何がぁ……⁉」「有ったんですかい⁉」


三人が息を合わせて一つの質問をぶつける。

そう、夏休み前。この夏休みを作り出した原因たる事件が有った。

そして、その犯人はこの中に居る!




そう、犯人は私だ!!!!!


話さねばなるまい。夏休み前に起こった建物一つ壊れる程度の小事件を。

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