第22話 小話 ブラックリリー①

 私は南村百合。ついこの前、一色和斗君に厄介ごとを解決してもらった。

 後日、下心ありありでお礼にと何回もご飯に誘っているけど、『そんなに恩を感じてもらわなくてもいいよ。それともまだ何か問題でもあるの?』と断られてばかり。


【あんなことがあったら、普通、警戒するって。もしかしたらアンタ、嫌われてるかもよ。】


 私の心の中のブラックリリーが呆れたようにあざ笑う。


「じゃあ、どうしたらいいのよ、ブラックリリー!」


【さぁ?自分のことだから、自分でちゃんと考えなさいよ。】


「考えてもわからないのよ!」


 私は大学に入るまで、いや、入ってからも男子とお付き合いしたことがない。



『ねえ、和斗君、人生のパートナーとしてどういう人がタイプ?それと、彼女いる?』

『はぁ?彼女はいないけど…百合がパートナーになってくれるといいんだけど。』

『えっ、私?』

『百合、大学出たらやりたい仕事あるんだろ。そういう人、タイプだけど。』

『あんな親がいるけど、いいの?』

『百合のこと大事に思ってるからだろ、俺は全然平気だよ。』


 キャー簡単じゃん、どう?ブラックリリー。


【そんな上手くいくの?都合のいい妄想ね、百合。】


 ああ、どうしたらいいの。

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