第2話

「警部。こちらになります。」

「現場は、誰も入ってないな。」

「はい」


 アパートの一室に2人の男が入っていく。

 その様は推理小説の名警部が現場に入るようだが、特に素晴らしい頭脳の持ち主ではない。

 普通の警部である。










 カチッ...カチッ...パタ ン(←パソコンを保存してシャットダウンして閉じる音)

 そして、真っ暗な部屋に響く音は無くなった。

 代わりに軽いエンジン音が響き、次第に遠ざかっていく。


 とあるアパート。

 軽いエンジン音が次第に大きくなり、消える。


 ガチ ャッ …………バタ ン


 実行開始だ。


 前言撤回。

 まずは寝ます。zZ


 チュン チュン


「ふゎぁ」


 さて、まずは部長をどうやって誘き出すかだ。

 部長が好きなもの…そういや実家から送られてきた地ビールかなり喜ばれたっけ。

 よしこれで行こう。

 第1発見者は、友達でいっか。(←この友達可哀想…)(←名前すら考えるのやめてる)

 部長が来たことを証明するには…あっ、防犯カメラ。

 この前大家さんがつけたんだった。

 撮れてんのかなぁ。


「念のため確認しておくか。」



 下の階の大家さんを訪ねに行く。

 っていうか、このアパートに住み始めてから会ったことないじゃん。

 いきなりこんなこと聞くの失礼だよな。

 ………よし。これで行こう。


 ピンポーン!


「あ゙い゙よ゙」


「っ!」


 あれ大家さんってこんな厳つい人だったっけ?

 怖!


「な゙ん゙だ゙い゙?」←にっこり)


 怖っ!


「あぁ...えっと...こ、この...防犯カメラ...ちゃんと撮れて...ますか?」


 やばいやばいやばい…いきなり聞いちゃったよ。

 ダメなやつだ…

 あぁぁ


「も゙ち ろ゙ん゙だ。な゙ん゙で だ?」


「べ、別になんでもないです」


 あぁ、怖かった。

 さっさと戻ろう。

 一応目的も果たしたし。


「ハッグションッ!!」


 風邪かよ!


 …準備に戻ろう。


「プル ル ル ルル…もしもし?」×2


 ………

 ……

 …


 よし。

 地ビールと第1発見者、用意できたぞ。(←友達の扱い!)


 始めようか。密室殺人を逆手に取る自殺を。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る