第14話【先輩の教えは絶対だぞ☆ミその4】


『いつも通りっちゃぁ~いつも通り何だけどさ!!せっかく異世界のヒーロー達が集まったんだから格好良く決めたいじゃん?』


 徐々にヒートアップする弓弧に対して、たぎる目を合わさず、その後方のテレビで、この前の総選挙の放送を見ている悠吏香。


『久々に変身したんだけどさぁ、同じ桃髪の魔法少女がいてさ……出番奪われちゃうし、魔法で障壁作って主人公助けちゃうし……私も、まほー使いたかったなぁー。ステッキとか持ってたら魔法少女っぽくね?私も欲しいんだけどさ!!』


 ウジウジとアルコールの涙を流す弓弧と、餃子をナイフとフォークを使い、お上品に食べる超一流アイドル悠吏香は、可愛らしい顔でキツめの一言を放つ。


『先輩の魔法は、可愛らしい【マジカルな物】じゃなくて人々が、【阿鼻叫喚】しちゃう奴だから使ったら一緒に討伐されてますよ?それと先輩のステッキは、神ちゃんとの接待で宇宙ゴルフの時に使ったら、あまりの【圧力で粉微塵になった】とか言ってましたよ?』


『それは――――ぐぅの音も出ねぇわ……あっちの世界で死んだら私どうなっちゃうんだろうな?』


 アツアツを悩まポーズであざとく冷ましながら、一口サイズの餃子を頬張り、ビールを飲みながら考えた答えは……


『先輩を亡き者にしたいなら、ロケットに積んで宇宙空間で不眠不休のゴミ掃除とかどうですか?』


 それを聞いた弓弧は気まずそうな顔をしながら、心当たりがあったのか即答した。


『それこの前やったわ……暇だったから、ブラックホールの出入り口に上半身突っ込んで遊んでたら、知り合いの神様に頭叩かれて取れるかと思った』


【辺りには、数秒の沈黙と店主の声が流れています】


『話戻すけどよー。魔法少女に必要な【3H】って分かるか?』


 首を傾げた悠吏香を尻目に続けざまに話す弓弧。


 ①必殺技を叫ぶ前に、やっつけろ

 ②秘密を知るものは即殺せよ

 ③人を呪わば穴635個じゃ足りない


『何だけどさ……どう思う?』


『先輩しゅごい……』


 ※あくまでも弓弧の見解であり、実際のヒーロー物や魔法少女にこの常識は、通じません。


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