第80話 不器用な生き方、それでも。

胸に鋭く走る痛みに

両手でそっとフタをして

視界を遮るように

ゆるく瞼を閉じた


気づかなければなかったことと

変わらないさなんて笑って

傷口が閉じて瘡蓋になるまで

息を殺して生きて


増えていく傷跡には目もくれず

飲み込んだ涙の海だけが

誰にも知られることのないまま

寄せては返していくだけ


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