第48話 キレイな空気のあるところ
すべてを捨てて逃げてしまいたいのは
私の弱さなのでしょうか
何もかもが抱えきれないくらいに重くて
放り出してしまいたい
そんなことを思うのは
やっぱり弱い私のせいなのでしょう
だってココには様々な
苦しみを抱えている人がいて
それでもみんな投げ出すことなく
ただ真っ直ぐ歩いていて
そのことがどうにも重いのだ、なんて
これは私の甘えなのでしょうか
たったこれだけの苦痛など
我慢すればいいだけだから
それなのにどうしてこんなにも
息苦しくてたまらない
常にありもしない酸素を求めて
喘ぐバカな魚のよう
キレイな空気を求めることの
なんとも言えない罪悪感
そんな思いがあとからあとから
私を締め付けてくるのです
だから私は逃げたいのです
澄んだ酸素のあるところ
弱い人間であるこの自分が
無意識に呼吸できるところへ
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