断片集02 ハイランダー道徳書より抜粋

さあ、道徳哲学の授業を始めます。

みなさんも知っての通り、私たちは道徳・哲学を愛しています。

なぜなら、それが人生をゲームとして楽しむためのルールブックとなっているからです。

さっそく、第一章から始めてみましょう。


第一章 みんなで協力しましょう


 皆さんが好きなゲームの中でも、主人公だけが活躍するゲームはほとんどないでしょう。

人生ゲームの内、仲間との共闘は最も重要な要素の一つと言っていいでしょう。

ところで、協力とは何を指す言葉でしょう。

協力とは自立している二人が力を合わせる事です。

自律した二人以上が協力することで、人は一人以上の力を出すことが出来ます。

片方、あるいは両方が自立していなければそれは依存になります。

では次に協力とはどのような状態であるかを詳しく見てみましょう。


生存協力


これは最も基本的な協力の在り方でありながら、最も重要な協力の形です。

全ての協力関係の土台となります。

まず、お互いに信用するところから始めましょう。

私たちは生存を目的として協力し合う関係であり、お互いを裏切らない相手だと、相手と自分をリスペクトします。

そして、フーリエの13情念のうちの5情念、空間感覚の5感を高めるために協力をします。

具体的な例を挙げるならば、山で遭難した時、安全に下山しあうために協力するとか、同じ空間にいる際に、積極的に掃除をして、快適な空間を維持するとかですね。

この時互いの得意な分野で貢献することが重要です。

まだ何が得意か分からない人は初めに衣食住に関するお手伝いから始めてみてください。

お掃除をする、ご飯を作る、着る物を清潔に保つなどは人に役立てることが多いので、そこからスタートする人が多いですね。

そして、してもらったら必ずお礼を言いましょう。感謝のフィードバックはその人のモチベーションとスキル向上に役立ちますので、積極的に行いましょうね。

ワーク

それではさっそく、身近な人に向かっての協力を行ってみましょう。

まずは、3つのワークを行って、効果を実感してみましょう。


いかがでしたか。

感謝の言葉を頂けた人も多いのではないのでしょうか。

気付いた人もいるかもしれませんが、5情念はより、手短の人に、4情念はより遠くの人に協力をすること出来る性質を持ちます。

繰り返し、5情念の協力を繰り返せば、自然と高位の情念に行きつくことが出来るでしょう。


第二章 社会協力


五感の向上より一つ上のレベルをご紹介しましょう。

協力関係は実は人がいなくても行うことが出来るんです。

恋人のために美容に気を付けることや、社会のために他者に注意するなどより上位概念に基づいての行動は人生の楽しみを上げます。

上位四概念つまり、家族、友人、恋愛、組織はそこに対象がいなくても対象を取って協力することが出来ます。

これら社会協力は、より大きな力を持ち社会を動かす大きな力になります。

自分が選んだ社会への愛の継続が、個を確かなものとし、豊かな人生を保証してくれるでしょう。


ワーク

実際に 家族、友人、恋人、社会に協力を行ってみましょう。


いかがでしたか?

実際にやってみると分かるのですが、個人の幸せって二種類ありますよね。

五感の幸せと社会的な幸せです。


個人の幸せを獲得した上で、社会的な幸せがあるのです。

つまり、健康的な環境下で健康的なものを食べ、よく眠る。

これが満たされたうえで、社会的な幸福を目指すのです。

社会的な幸せの獲得は個人のそれよりも大きく、誰もがそれを欲しがります。

なぜなら五感の幸せの上限は誰にとっても上限が低く、社会的な幸せの上限は限りないからです。

けれども時に人は、社会的な幸福を求めすぎて、個人の幸せのバランスを崩したり、個人の幸せと社会の幸せを混同させたりして悩みます。

お金や地位や権力はその者にふさわしく社会から与えられるものです。

自分から求めるのも止めはしませんが、社会的な欲求は自分が一歩一歩積み重ねていく愛のようなものなのです。なので、幸福を比較することは不幸です。

不幸は比較から生まれます。

自らの快を一歩一歩獲得することが幸福であり、このゲームの勝者なのです。

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