エンピツは、削らないと使えないように。

目に見えないものが燃えている。


煙が臭うわけでも、熱を肌に感じることもなく。


未来を視る脳だけが知覚してチリチリと焼けている。


不安。


未来を前にして恐れるから焼ける。


まだ何も起きていない。

そうなると限ったわけではない。


なのに人は痛むことが出来るのだ。


想像力が脳を焼き、苦悩で不機嫌をばらまくのなら、いっそ吹っ切れてしまえ。


あなたと繋がったそれが絶え間ない痛みと暗い燻りしか与えないのならば、いずれそれはあなたを焼く。


行く先々に黒煙が上がるならば、それを目指すな。


立ち向かって勝ったとしてもその臭いはすぐには落ちない。


熱が欲しいなら自ら燃えるといい。


湧くような炎が、心から漏れ出す事柄を毎日。


きっと良い香りがするのだろう。

あなたの燃える香りは。


幸せの香りは身を削った幸せの乳香。


お金を貰ったわけでもなく、したくなること。

あなたから因数分解したときに無くなってしまうもの。


それを核にして燃えろ。


炎の中核は青く燃えて満たされる。

煙も、熱も、未来さえも燃えて。


ようやく、安堵できる場所が、ぼぉぅ、と。

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