みんな両手にノコを持つ
つり革を掴む右手
左手には錆びたノコギリ
掴んでるのか繋がれているのか
ノコギリを買うために勤めているのか
ノコギリは買うものではない
左手を握れ
天啓、直感、行動
子どもが天才なのは手にノコギリを握って決して離さぬからだ
間には何も入れては行けない
ノコギリの刃を錆びさせてはいけない
我を通すことでノコギリを振るえ
我を通せないから何にも切れないんだ
ノコギリのせいにするなよ
我を通すのは自分だ
ノコギリは買うものではない
両手で握り強く我を通せ
切れないのは叩くからだ
切れないのは一振り目で止めてしまうからだ
切れないのは強く握らないからだ
皆がみんな剃刀のように
切れる何かを持つわけではない
不揃いな歯を作り上げてひとつひとつ紡いでいる
当たったら引き切れ
止まったら押し切れ
抜いてしまうのではなく足で踏んで止めろ
我を通して、引いて、通して、決して抜くな
切れるまで、到達するまで、諦めないスピードこそが切れ味だ
我を通して羊を屠る
犠牲は何かと必要だ
遅れた羊を叩くのは正義か
義を持つならばノコギリを握れ
斜め45度の角度でノコギリを振り入れろ
大胆に、豪快に、舞台役者のように大袈裟に楽しめ
スピードと摩擦と通した我の下には
流れ星のように落ちる惰性の星々が輝く
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