3. 旅行の荷物が人より多い



 みなさん旅行の荷物は少なくまとめる派ですか?


 それとも慎重を期していろいろ持ってく派ですか?


 くせ毛持ちの私は「どうしても多くならざるを得ない派」です。


 なぜかというと、くせ毛ケアのために様々なものを持っていかなければいけないからです。


 ドライヤー、ヘアアイロン、ワックス、ヘアミルク、シャンプー、コンディショナー……etc.


 特にドライヤーに関しては必ず事前に宿の情報をチェックし、なければ最優先の必携アイテムです。


 今でこそ旅館・ホテルにドライヤーが設置されているのが普通な時代になってきましたが、昔はノーマルクラスの宿にはドライヤーがない、あるいはフロント貸し出しや浴場にはあるけど個室にない、みたいなことが当たり前のようにありました。


 そんな宿でもしドライヤーを持参せずに、乾かさないまま寝る羽目になったらどういうことになるでしょうか?


 翌朝メデューサ襲来ですよ。


 さらに、普段の自宅のように究極クセ直し秘技「レンチン蒸しタオル」も使えないのでリカバリーが効きません。


 これが学校の修学旅行とか、恋人との大事な旅行だった時にはもう最悪です。


 もしかしたら、中には「くせ毛の君も可愛いね」なんて言ってくれる素敵な人もいるかもしれません。


 だがすまん、そういうことじゃないんだ。


 髪が決まらない時というのは、周りにどうこう見られるのが気になる以前に、その日の自分に自信が持てなくなってしまうのが一番の問題です。

(これは重要なことなので今後も繰り返し同じことを書くかもしれません)


 せっかくの旅行も、つい鏡や窓に映る自分の髪が気になって純粋な気持ちで楽しむことができなくなりますし、当然記念写真になんか写りたくありません。「あ、私が写真撮るよー」なんて気の利く女子のふりをしてレンズから逃げる羽目になることでしょう。


 旅先でいい思い出を作るためなら、多少荷物が多くなろうとくせ毛ケアグッズは忘れてはならないということなのです。


 また、シャンプー・コンディショナーも理想は普段使いのものを小さなボトルに入れて持っていく、それが面倒な時は馴染みのあるブランドの試供品パックを持っていくなどします。


 これも少し前の宿事情になりますが、備え付けのシャンプー、リンスって保湿効果が弱く、リンスインシャンプーしか無かった日には翌朝ギッシギシになってしまうので、旅先でもできるだけ自分の髪質に合ったものを使うようにしています。


 ただ、どんなに気をつけていても忘れてしまう時ってありますよね。


 しかもそれがけっこう僻地の宿だった日には、ふらっとコンビニに行って宿泊パックを買いに行くことすらできません。


 以前私が白川郷あたりに泊まりに行った時に、そういうやらかしをしてしまったことがありました。


 仕方なくお風呂場にあった備え付けのシャンプー・リンスを使おうと思って手に取った、そのボトルのラベルに書かれている文字は渋く筆文字の「馬油」。


 そう、あれです。


 田舎の方の旅館によくある馬油シャンプーです。

 薬局だと下段の目立たないところに置いてあるやつ。


 うわーこれ絶対翌朝やばいことになるやん……と絶望しながら使い、その翌朝——




「あれ、私の髪、つやつやになってる……?」




 びっくりするくらいサラサラヘアになりました。


 馬油のオイル成分による保湿力が細くて傷みやすい私の髪の毛にマッチしていたということなのでしょう。


 目から鱗でした。


 とはいえ、なんとなく薬局で馬油シャンプーを買うのは憚られて、あれ以来一度も試してません。今度買ってみようかな。



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