2. 生まれる時代を間違えた
前述のように濃厚なくせ毛遺伝子をもってこの世に生を受けた私ですが、ここまでくせ毛をコンプレックスに思ってしまっているのは生まれた時代のせいでもあるのかもしれません。
幼少期を過ごした90年代、そして学生時代を過ごした00年代。
当時美人とされる女性はストレートヘアがとにかく多かったのです。
篠原涼子、仲間由紀恵、江角マキコ、深津絵里、柴咲コウ……。
初期のモー娘。もみんな髪ツンツンで。
貞子でさえも黒髪ストレート。
00年代人気だった若手アーティストも、YUI、いきものがかり……とストレートヘアが印象的。
ゆるふわナチュラルなパーマが市民権を得てきたのは、ボブスタイルが流行りだした2010年代に入ってからな印象です。
とまぁそんな時代に生まれたせいで、とにかくくせ毛が嫌で嫌で。
周りのくせ毛持ちな女の子が一人、また一人と縮毛矯正やストレートパーマに手を染めていき、私もうかうかしておれんと奥歯を噛み締めながら親とお小遣いの交渉をしたものです。
なお、美容院によって定義が違うのかもしれませんが、縮毛矯正とストレートパーマは違うものなんだそうです。縮毛矯正が完全にまっすぐにするやつで、ストパーはゆるくまっすぐにするやつ。だからストパーの方が効果は薄いんです。ただ、今は多少技術が向上してましになっているかもしれませんが、当時の田舎の美容院で縮毛矯正するとほんと慈悲のないツンツンヘアになるので、注意が必要でした。学校によっては髪を改変すること(染毛はもちろん、ストパーや縮毛矯正も対象)を校則で禁止している場合もあるからです。そんなの学力に関係ないのにね。
とはいえ縮毛矯正とストパー、いずれにしても一回かけるのに8000〜10,000円くらいはかかります。そして数ヶ月〜半年で髪が伸びて効果が切れるのでまたかけ直さなきゃいけない。中高生のお財布には痛すぎる出費。
それでもくせ毛持ちは頑張って美容院に通います。なぜならやっぱり、ストレートヘアの子の方がモテたから。天パは運が良ければいじられキャラになれますが、私のように天パとも言いづらいうねりくせ毛は陰キャの代名詞のようなものでした。『野ブタ。をプロデュース』のイメージしかり。まぁ実際周りはそう見ていなかったとしても、自分の中のコンプレックスが自分自身をそうカテゴライズしてしまっていたのです。
天パやくせ毛がカワイイという価値観の時代に生まれていたら、もう少し違う青春時代を送れていたでしょうか? そう思うと、涙を肴に日本酒一合はいけそうです。
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