少年、女の子になる!!


……てか待てデータ集めって何すんだ

まずこれほんとにもどるのか?

心配すぎて頭がぐるぐるするのだが?

もう行ってしまったので待つことしか出来ない

くっっそ、すごく気になる…

とりあえず自分の部屋に戻ろう


「とりあえず疲れたなぁ…」

そう言って部屋に入る

何故か夏冬なつゆも一緒である

「ねぇ…あやくん…」

「…なに?」

「大丈夫…?」

「正直大丈夫じゃない」

参っている

「…なんでこうなったのか、分からない

なんで、いきなり性別が変わるとか

なんでいきなり名前が変わるのかとか

いきなり魔眼を持ってるだとか

データ取らせろとか

いざなると分からなさすぎて

いきなりすぎてもう……分からないよ」

自分である程度落ち着いてるふうに振舞っても

やはり事実は変わらない

そんなことを言っているうちに涙も出てきた

「うっうぅ……うぇぇ……」

いつの間にか泣き出していた

「そりゃ泣きたくなるよ、情報量も起きたこともおかしいんだし…」

何か、抱きつかれる感覚がした

「ほら、気が済むまで泣いていいよ」

多分、1番付き合いの長い幼馴染だから

安心した

そこから先は覚えていない

多分泣きじゃくって、その後1時間くらい寝てたらしい


──────────────


「…おはよう」

起きたら、太ももの上でした

「よく眠れた?」

「おかげさまで」

「それは良かった」


「…ありがとう」

「どういたしまして」

彼女は少し恥ずかしそうに言うのだった


「…泣いて寝たら落ち着いたし、ほんとにありがとう」


─────────────


父さんはもう帰ってるのかな

リビングに行ってみますか


「あぁ文…文乃ふみの、おはよう」

「家の中まで徹底しなくてもいいだろぉ…」

「外で何かあったらどうするんだ、あと文乃もちゃんと女性の言葉で話した方がいい」

「ええぇ…」

「まぁ家の中では出ることもあるだろうが、外では気を付けてくれよな」

「…分かったよ、それとさ、気になってたんだけど

データ集めって何やるんだよ」


とりあえ頭を切り替えて、

疑問を1つずつ潰すことにした


「最近魔眼持ちの間で模擬戦…みたいなものが流行っているだろう?

あれは俺たちの組織が流行らせた、データ集めと共に彼等の興味を引いてさらに多くのデータを集めるためにな。」


そう言えばそんなシステムあったな、地形と自身の体をバーチャル化して──

見たいなあれ

こいつらだったのか

今では大会があるほど魔眼持ちの間で流行っているあれか…


「あとついでにこれもな、ちょっと触れてみてくれ」


そうして出されたのは


「何これ…石?」


石だった

なんだこれ、外見は普通だな

「まぁ、1回触ってみてくれ」

言われるがまま触れる


手のひら大のそれに触れる

突然石がひかりだす

そしてその閃光が収まると手に1本の

日本刀みたいな形をした武器と

机の上に靴が出現した


「なんだ…これ?」

「これはな、魔眼持ちが触れるとそいつにあった武器と武装になる、これを『特殊魔装』と呼ぶ、こちらにも全くよく分からない代物だ、今のところ魔眼持ち全員に配っている」


どうなってんだこの人の組織


「んで、これでどうしろと?あとこれ銃刀法違反なんじゃないの?」


「その点に関しては心配ない、

『ウェポンオフ』と言えば収納出来るモードになるし、政府に認可も取ってある」


「何から何まで便利だね

『ウェポン オフ』」

突如武器の周りに風が起こり

柄の部分だけになった

靴の方は普通に履けるようなあれだし別にいいかなって

「本当に便利だなぁこれ」

「これのデータ収集もあるからまあよろしく頼む」



かくして、「私」の非日常とも呼ぶべき日常が始まる───────

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