少年、女の子になる!2

……!?


美少女?!


どういう事なのかつかめない、今目の前の鏡に映っているのは銀髪碧眼、少し幼い可愛い顔をした美少女だ、髪も腰のあたりまで伸びている。

頭に手を伸ばしてみる。

それは以前までの感触はなく、

サラサラした感触が手に残る。

…この美少女、もしかしなくても俺?

そうだとしたらお父さんや母さん

それに綾香になんて説明したらいいんだ…!?


「とりあえず着替えるか…ベトベトするし」


そう、呟き着替えようとする

その瞬間───


ヒュンスタッ


そのような音が聞こえてその方向を向く

忘れてた、毎朝起こしに来ているこいつの存在を。



「おはようあやく……ん…?」

「…あっ…とその、おはよう?」



「あやくん…?あれ…?誰…??」



…まあ、こういう反応が来るだろう、なんてったって俺と証明するものがないのだから


「どうしよう…」

「あやくんはどこ…?ねぇ…そしてあなたは誰?」


俺は今女の子だ

言わないと俺だって伝わらない、

だから答える


「文人は俺だよ」

「…?……え?」

「だから俺だって…、ついさっき起きたらこんな状態でぇ…」

「いや…だって…え?」

「……もしかしなくても信じてないよな」

「当たり前でしょ!そんなこと!」


急に声がでかくなった、いや待てまずい

そんな声出したら

「ちょっっっとまて!そんな声出したら──」


ガチャッッバーーーーン


「文にい!何かあった───────!?!」


「…ほら」


「…文にい…??文にいなの…?」


ここで言ってしまう方が、俺が文人だと信じて貰えるかもしれない


一呼吸置いて、俺は告げる


「……そうだよ、俺は正真正銘、如月文人、

綾香の兄で家族構成は母、父、妹。

そして3人の幼馴染がいる。

そして魔眼は持っていなかった」


「…本当に、文にいなんだね?」

「そうだよ」

「なら、信じるよ」

「…ありがとう」


よかった、1人からの信頼は得れたかな


「…本当に?本当になの?ねぇ」


「本当だよ」


その時ぐらいに父母の存在に気づく


「お父さん、お母さん……」


「……文人、なんだな?」


お父さんはすぐ気づいてくれた、正直有難い


「そうだよ、父さん」

「…目に、違和感はないか?」


……目? …言われてみたら確かに違和感はある、かゆみなどとは別の…何かが蠢いてる?違う…認知したらすごく気になってきた


「今気づいたけど、違和感すごくある」


「やはりか…」


「それがどうしたのさ、父さん」


「ハッキリ言おう、お前は…魔眼に目覚めている」


「「「…へ?」」」


「よく分からないしなんでこのタイミング!?

俺の女性化となにか関係でもあるのかよ!?」


「…実は最近、他に一件、文人と同じケースが確認されている」


「…嘘だろ?」


「大マジだ」


「マジかー…えーまじかぁ……」


───────────────────

どうやら俺は女の子になって魔眼まで身につけていたらしい。


「ところで能力の発動の仕方ってどうするのさ、夏冬さんや」


「《魔眼解放》って言えば魔眼が認識して能力を解放してくれるはずだよ、どんな能力かは解放したら頭の中に流れてくるから多分わかるよ」


あと慣れたら言わなくても発動できる、とも言っていた


「あとは…まぁ特にないかな」


「ん、ありがとう」


「ところで学校どうするの?」


「どうしよ…」


────────────────

今日は学校を休み、母さんと父さんでこれからの事を話し合うことにした

何故か夏冬も同席している


「文人」

「これからどうすればいいのさ親父」

「一応、もう1つのケースの子は名前を変えてもらってデータ集めに協力してもらってるけど」

「…それなら僕も、戻るまでそうしておくかな」

「よし、それじゃ新しい下の名前も考えなきゃな」

「でもその前にさ、学校どうするのさ」

「それはどうにでもなるから」


どういう事なの…?


「そういうことなら、私は文乃ふみのを推すわ!」

「いいねぇお母さん」


なんかしっくりくるのが悔しい

でも早く決まることに困りはしないだろう


「お父さんもそれでいいが…文人、本人的にはどうだ」


「俺もそれで構わないよ」


「よし、それじゃあ手続きをしてくる、あと文人、いや文乃のことを協会に登録してくる」


「行ってらっしゃい」


…そういやこの父さん魔眼の研究機関の人だっけか



……アイツらにこれどう話そう…夏冬は知ってるだろうけど、ほか2人はなぁ……

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