リベンジは惨敗
うさ吉はリベンジを申し込んだ。
カメどんは優しかったので、受け入れた。
よーいどんの合図で競争が始まる。
今回の勝負、うさ吉は寝なかった。
その差は歴然だった。
そのリベンジで惨敗してしまう姿は敢えてバレーボールで例えるなら、回転レシーブを研究し尽くされ、真似され対抗策を練られてしまうように、軽い飛行機を開発してもその飛行機を研究され、もっといい飛行機を開発され戦に負けてしまうように、必死に練習したスポーツの技術もルール改正で改正した人たちに有利に動く事によって負けてしまうように——だった。
もうカメどんは勝てなかった。
うさ吉は絶対居眠りをしなかった。
いずれカメどんはうさ吉から奴隷のように扱われるようになった。
「おいカメどん、今月分の食いもん、早く納めてくれないかな?」
「なあうさ吉。確かに言うことは聞くって言ったけど、もうこんな事やめにしないか」
「は? 約束だろ? 負けは負けだ。正直に認めろよ、お前は負けたんだ、言うことを聞け」
カメどんはうさ吉の圧力に勝てず、自らの身を粉にしてうさ吉のために働いた。どうもここ最近病気がちになってきたのは気のせいだろうか。
独り悶々と川辺に座っていたカメどんの背中に、声をかける者があった。
「やあカメどん、どうしたんだ? 背中に哀愁が漂ってるよ」
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