普段私たちは、自覚している以上に「常識」という価値観を重視しています。それが、真善美いずれの価値を保証するものでもないにもかかわらずです。今回登場する少年と少女はそれぞれ自身の知るものとは異なったそれに触れることで、いとも簡単に「常識」揺らいでしまいます。本作は、そうした「常識」の脆さに対する著者からの戒めなのかもしれませんね。