第10話 団欒
全員食べ終わり、お互いのことを話すこととなった。
「ゆうきっちの能力って特殊だよね。」
颯来が話を切り出した。
「たしかにそうだよな。」
奏もうなずく。
「ま、超能力の普通が何かわからないけどね。」
「そうかなー、みんなも強いのもってるだろ。」
だって普通の人間炎とかだせないからな、
「そういえば栞奈は孤児院出身なんでしたっけ?」
暦が話題を変える。
「そうだよー悠希と零もだよ!」
「そうでしたね。デリカシーのない質問ですが、その、三人とも捨てられる前のことなどは覚えているのですか?」
顔色をうかがいながらおそるおそる聞いてきた。
「んー栞奈はね何も覚えてないよ。物心ついたときには零がいたから。」笑顔で栞奈は答える。
「俺もそうだ。」
零も答える。
「ということは、悠希は後から入ってきたの?」
「そうだよ」
みんなの視線が一気におれにあつまる。自然と言っては自然な反応ではある。
「おれは、、、」
そうおれは栞奈や零と違い少し後にあの孤児院に入った。そのため少しだけ覚えていることもあるのだ。でもそれはやんわりと脳裏によぎる程度ではっきりとは思い出せない。
しかしなぜだか無理に思い出そうとすると突発的な頭痛が襲い掛かりそして痛みとは関係なく目から涙が流れる。
「ごめんやんわりとしか覚えてなくて、」
おれはみんなにそう伝える。
「そうですか。本当にごめんなさい。ぶしつけな質問をしてしまって。」
「大丈夫。全然気にしないでおれもみんなの立場だったら気になって絶対聞いてたし。」
正直いままで人付き合いという人付き合いをしてこなかったため聞かれることに抵抗があったが、案外いやではなかった。
「時雨は昔から超能力があるのを知ってたんだよな?」
「うん。わたしの家系がそうだから。」
そう言いながら少し悲しそうな表情をした。
「みんな、ふと思ったんだがおれたち十人で戦争が起きた時に対処しきれるのか?」
奏が急に真剣な顔になった。
「たしかにそれもそうだな。」
「うん。ちょっとっていうかだいぶと無理があるよね」
「私たち正式な役割とか聞いてないよね」
みんな口々にいいだした。
「近々なんかあるんじゃない?総理大臣に会えたりしちゃったりして」
颯来が冗談っぽく笑う。
「いや入学式に最初に話してたおっさんそうりだいじんだし。」
少しどや顔で言う。
まーおれもハリスに言われるまで知らなかったんだけどいまは知ってるからセーフだよね?知った
かぶってないからね?
「あ、そうなんだ!ゆうきよくしってるね」
颯来感心したのかほめてくれた。
「それほどでもないよ。」
おれは人生史上最大級のどや顔をみんなにかます。
ハリスからの冷たい視線が痛い、あとでジュースでもおごってやるか。
そんなこんなで今日はお開きとなった。
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