第5話 入学式

入学式、家から歩いて学校に向かい、学校に着いてみるとリムジンがたくさん止まっていた。




(あれ?徒歩通学俺たちだけなのか?)




「ねー私たち学校まちがえた?」とあまりの異常さに栞奈は混乱しているようだ。




「そんなことないはずだ。試験で来た場所と同じだ。」




零は当たり前のことを真剣に言っている。




「たしかに場違い感はすごいね、」




すると、一人の青年が俺たちに気づいたのかこちらに歩いてきた。


高身長で金髪の青い目をしている。おそらくハーフなのだろう。




「やぁ!初めまして。僕は西園寺ハリル。気軽にハリルと呼んでね。君たちもこの学校の新入生だよね?よかったらなかよくしてね。」




ハリルは気さくに自己紹介をしてきた。




「よろしくハリル。おれは不二悠希。こいつが清水零でこいつが橘栞奈。」




「どうも」「よろしくね」




二人も軽く挨拶をした。




この鶯音高等学校は今年新設の高校らしく在校生はいない。


なんでも日本の次世代の輝かしい人材をこの学び舎に集め育成するという国家プロジェクトとして文部科学省でなく内閣府の直轄管理であるらしい。なんともまー壮大なプロジェクトである。


少数精鋭の超のつくエリート高校だったらしい。今回が初年度の募集で受験者300人合格者は60人。




(とてつもなく狭き門だったんだな、あんなになめていてよく入れたな俺たち…)と知らなかった背景のあまりの大きさに驚きを通り越して笑えてくる。知らぬが仏とはまさにこのことだ。




「あのじじいやりやがったな、」




零はぶつぶつ言っている。






そして式が始まった。




「えーこの度合格おめでとう。我が国から選ばれた諸君はこの学び舎で苦楽を共にし輝かしい未来に向かってともに歩くのである。学校生活たのしむように。以上でお祝いの言葉とさせてもらう。諸君改めて入学おめでとう。」




知らないおじさんが話を終えた。




「なー警備すごいけどあの人そんなにすごいひとなのか?」




おれはふとした疑問を隣のハリスに小声で聞いてみる。




「知らないのかい?。あの人はこの国の総理大臣だよ。」




俺の質問にハリスは笑いながら思いもよらない答えをかえしてきた。




(おいおい、まじかよ。)




そのあとも式はつつがなく進んだ。


白衣を着た細身の男が登壇した。


「えー私は壱組担任の川上だ。新入生の諸君入学おめでとう。はじめに諸君たちはこう思っただろう。あれ?合格者少なくね?って」




マイクを手でたたいて音が入るかを確認し、川上と名乗る男は話し始めた。




(たしかにえらくしぼられたな、なんか理由でもあるのか?)




おれはふと疑問に思ったがとりあえず話の続きを聞くことにした。




「そう、君たちは選ばれたんだ。簡単に説明すると受験者300人学力での合格者数は150人いた。


そうまずは知力でふるいにかけた。ここまでは従来の学校なら当たり前だろ?そして面接で150人から60人になった。これは頭の柔軟性、瞬時の対応力を見るもので世にいう偏差値だけのバカをふるいにかけるためだ。君たちはそれらをクリアした優秀な人材である。」




(あれ?身体測定の意味は?やっぱり合否には関係なかったようだな…)




と思ったのだが次の言葉ですべて明らかとなった。




「身体測定を行ったことにもれっきとした意味がある。なぜならこれをもとにクラス分けがされているからだ。」




(クラス分け?)




クラス分けのことについて初耳なのはは俺だけではないらしく周りがざわざわしだした。




「えー静かに。詳しくはこのあと教室でゆっくり説明する。とりあえず君たちは選ばれたおめでとう。」




川上はそう言うと壇上から降りた。そのあと校歌斉唱や諸注意などを聞いて入学式は終わった。






入学式が行われていた会場を出ると学生証が配られていた。俺たちも受け取り学生証を眺めていると、




「今お渡しした学生証ににクラスが記載されております。壱組と書かれている方は一階にある1-1教室に弐組と書かれている方は二階の2-1に三組と書かれている方は同じく二階の2-2にむかってください。」




学生証を配っていた係のひとがアナウンスした。




おれたちは指定された教室に向かうことにした

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