第3話 小さな希望

 唯一の友であった弘に裏切られた気持ちになった。


 心の中にポツンと穴が空いたようだ。


 何をしても楽しく感じなくなっていたのだ。

 外に遊びに行く事も少なくなり、次第に家に篭るようになった。



 弘と会えなくなって半年が経ち、他の子供たちとも遊ぶ事もなくなった。


 ある時だ、いつもの様に学校から帰ってきて、部屋に向かおうとした時、たまたま点いていたテレビが目に入る。

 そこには、その当時人気絶頂のアイドルグループが映っていた。

 ビリっと全身に電気が回る様な衝撃が走り、テレビに食らいつく。


 そこに映っていたのは、絶世の美女であった。


 気づけば、そのアイドルの虜になっており、このアイドル事を調べた。


 1000年に1人の美少女と言われているアイドルであり、その美貌に壱は魅了された。

 それからというものそのアイドルにハマる日々が続く。




 しかし、1ヶ月後であった。

 そのアイドルが引退する事になったのだ。

 熱愛報道が報道されての引退であった。

 衝撃が走った。



 恋愛禁止のアイドルが急遽熱愛報道されて引退されたからではない。


 アイドルと付き合ってるという男の方にだ。

 アイドルという恋愛禁止の中、その子を口説き落としてものにした男に壱は衝撃を受けた。



 それは、自分の好きなアイドルを奪ったからとかではなく、アイドルを落とせる男の力に。

 その力に魅了された。


 相手の男の情報も出ていたのだが、モデルとの事だ。


 ものすごく男前というわけではないが、それなりに整っており、スタイルもいい。

 この男の事を調べた。


 すると高校までは、ただの人であったらしい。

 それから、大学に進学してからモテ始めて人生初の彼女が出来、その後もいろんな女の子と遊び、モテる人生を送ったとの事だ。


 壱は今まで、彼女を作るなんて考えた事がなかったが、あんな可愛い彼女を作りたい。

 そう思った。


 しかし、逆四天王な自分では、可愛い彼女なんて作れるはずがない。

 そう思い込んでいた。

 だが、このモデルの様にただの人から四天王に成り上がる姿を見て、絶望しかなかった世界に希望を持った。


 そして、思った。



 四天王になりたい!

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