弱小チームが強くなるために必要なこと(1)

 昔「がんばれベアーズ」なんてアメリカドラマがあったりしました。日本では「レッドビッキーズ」がそれに当たるでしょうか(両者とも完全リアルな世代ではないですが)。要は弱小チームが強くなっていってライバルチームに勝つという、ドリーミーな野球ドラマです。

 実際は弱小校がやがて強豪校に勝つという事になりますが、意外と起こりうる事象です。世代交代とかがあって、聞いたことがない高校が甲子園大会出場を果たすなんてことは「あるある」な事になって来ています。古豪高の復活劇もそれに当たるでしょうか。

 具体例を挙げると、富山県の氷見高校や愛媛県の新田高校などが甲子園で活躍して「●●旋風」なんてよく言われます。それは上記の様な大して強くない、名の通っていない仮に高校が甲子園大会で活躍すると名前が付いたりします。

 徳島県の池田高校もあれだけ伝説になった蔦信也監督の指導で黄金時代を作りましたが、おそらく最初は弱小チームだったでしょう。

 では、なぜそう言った事が起きるのか、弱小校が全国の名だたる高校に肩を並べるようになるにはどうすればいいのでしょうか?

 その前提条件は「選手の負け犬根性」「相手に臆する気持ち」を排除することだと思います。

 手前味噌でお話ししますが、仮に私の母校が何かの拍子で今夏の甲子園大会優勝校と何かの大会であたったとします。私の母校は十数年鳴かず飛ばずの成績ですので、仮に中堅校位な格付けにしておきます。おそらく対戦相手が甲子園優勝校の「▲▲高校」と言うだけで震えあがるでしょう。それは何故か?最初の前提条件が排除されていないからです。とはいえ、私も選手だったら同じでしょうが。しかし、大会試合であれば勝たなければいけない訳ですが、試合をする前にそんな意識でいたら何もできなくなってコールド負けは必至でしょう。しかし、そこを何とかしないと何も発展しないし格上相手に未来永劫勝てません。

 ではどうするか?なにをしたらいいのか?というお話になります。それは「選手一人一人に自信を持たせること」だと考えます。では、具体的にどう落とし込むのか?という事になりますが「成功体験の積み重ね」でしか補えないと思います。成功体験と言っても初めから大きな勝利を掴むとかではなく、普段の練習、例えば体操一つ取っても「いい感じだね」とか「今日は体の切れがよさそうじゃないか」とか、お世辞ではなく選手の小さな変化、進歩に気付き、指摘する。そういう地味な積み重ねが指導者には必要だと思います。そして選手間でもお互いに同じことをしていく、そういう癖がつく、体操からキャッチボール、守備、バッティング、走塁等々に至るまで隅々に気を配っていくという積み重ねが重要だと思います。例え試合でぼろ負けしても随所にいいプレーやカバーリングなどがあるはずです。試合結果が出ないことだけにこだわり過ぎて周りが見えなくなっているから負け犬根性が段々根付いていくのです。「ああ、やっぱり俺たちいくら頑張っても勝てないんだ」という思いがいつまでたっても抜け切れません。

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