「練習の練習」をせず、常に実戦を想定した練習をする

 先日、ソフトボールの早朝練習のついでにOB風を吹かせて母校の練習を見に行くことにしました。私の母校は「古豪」と言われて久しく、夏の地区予選ではベスト8に行けるかどうかという成績を行ったり来たりしている現状です。いい試合はするものの、もう一歩という感じで何がその原因なのかが今一つ分からない。じゃあ、練習を見てみるか、と思ったわけです。

 私たちの現役時代は決められたメニューを阿保みたいにこなすという「受動的」なものでしたが、今はどうなのかとマネージャーにちょっと尋ねてみると、先回甲子園大会で優勝した慶応高校に感化されたのか、自分たちでメニューを考えてコーチ陣が修正するという「能動的」な練習メニューを組んでいるそうな。ほう、それは良いことだ。それならどんなもんか見てみよう、という事で練習を暫く観察していました。 外野ではフライの捕球練習をしていましたが、私は内野出身なので、外野手がどういう意図で練習しているのかという事に詳しくないため、内野ノックを見ていました。

 内野はピッチャーゴロ(バント処理含む)のノックをしていました。守備位置にはセカンドとショートがいて、ノッカーがピッチャーに軽くノックし、ピッチャーが二塁に送球。セカンドベースカバーに入ります。そこで終了。そこでまず疑問に思いました。

「あれ?ファーストっていらないの?一人余ってるのに」

 実戦において、ピッチャーゴロでセカンドに送球しフォースアウトで完結するプレーって何でしょうか?2死1塁の状況しかありません。しかもセカンド送球はそれほど頻出しないと思います。恐らく走者1塁の想定でしょう。しかし、走者がいなくても打者走者がいるので1塁送球は必須で、その時はファースト送球するはず。そこでワンプレーが完結します。しかも投手は一塁にカバーに走りません。

 また2塁、3塁に走者がいた場合やアウトカウントによってその後の処理も違うはず。ピッチャーがファンブルし、2塁送球が間に合わない場合は?1、3塁だったときは?私は思わず突っ込こもうとしたが余計かなと思い、ずーっとその練習を見守りました。

 野球は「もしや」の事態に常に備えて、次の事(2,3先くらいも)を常に考えていなければなりません。それは自分の動作だけでなく、どのような状況になりそうかという事も常にイメージしていないといけません。またカバープレーはマストです。それが普段できないと、実戦ではその練習自体意味をなさずいわゆる「練習のための練習」になりかねないのです。

 まぁ、それは選手たちの課題かと思って飲み込みました。しかし、私が腑に落ちなかったのは「一人余ってる」という事です。だったらそういう風にしたら?と思いました。

 野球の守備は極端な話「3アウト取ってベンチに戻るまで完結しない」と考えた方がいいかもしれません。常に続行し続けていると思っていた方がいいかもしれません。

 攻撃時も同様ですが「今この状況下ので自分の役割は何でどうしなければいけないか」という事を常に頭に入れてプレーをすれば試合でも大けがしないと思います。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る