仮に、私がスカウトマンである場合の獲得選手に対する着眼点

 野球のみならずプロ・アマチュアのスポーツ全般において、言葉に語弊があるかも知れませんが「選手の目利き」と言う能力は、スカウトをする球団、団体にとってかなり重要になる行為となります。いうならば自社の「有能な正社員を獲得する」とも捉えられ事ができます。

 標題にある通り、もし仮に私が選手の獲得をする「スカウトマン」であった場合の主たる「着眼点」についてお話しようと思います。

 「スカウト」と言う行為は、その選手の活躍と同時に「選手の一生を左右する」行為でもあります。表にはあまり出ませんが、そう言った観点を持っている団体もあるかと思います。ここでは主に選手の将来的活躍という観点を記載します。

 私の着眼点としては、野球の技術的な能力は元より選手の「人間性」を重視します。これは日常生活においても何についても重要と言える点になります。野球はフィールプレーヤーが「7人」バッテリーの「2人」で行うチームゲームですから「1人相撲」ではゲームになりません。なので、私は「(マスコミ等での評価が)高い能力のある優秀なスタープレーヤー」はあまり好みません。勿論、各団体においては好きずきは有るでしょうが。要は、


「160Km/hの直球が投げられるスター選手」よりも「軟投派で大して三振も取れないが打たせて取るスタイルではあるものの、良い変化球を1つ以上持っている打たせて取る目立たない選手」


 の方が私としては魅力を感じます。スター選手がいるチームは大概その投手の

「ワンマン」チームです。それは試合を観ればすぐに分かります。野球に関してだけ言うなら「その選手の出来頼み」になりがちで、あたかも「一人でプレーしている」様に見えてしまいます。そうなれば、通常の人間であればその投手が疲弊しやすいため試合の勝敗にもかなりの影響が出やすくなります。結果、最終的な着地点である「チームの勝利」から離れてしまうと言う、よく見られる傾向になりがちです。

また「1人でゲームをやっている様な投手」にはかなりの能力が自分には有るという「自負」が勿論ある筈です。それは人間として当たり前な感情であり、またそういう「気概」が無くてはいけない要素です。しかしそれが大きいが故に、ある意味「錯覚や過信」に陥る場合がある事も確かです。裏を返せば「8人」のプレーヤーに対しての「不信感」を生みやすい傾向もあります。もし、そうなったら他の8人はその投手に対してどう思うでしょうか?今の自分だったら「勝手にやってれば?」と思います。

 これに対して先述の「軟投派」投手の場合はどうでしょうか。自分の投球能力があまりないという事を「自負」しているのであれば「投球で抑えられないならみんなが守ってくれる」と言う「8人」への「信頼」の上で試合が成り立っていると考えられます。その「8人」は投手が抑えられないのであれば、「投手を支えなければ」と思うでしょう。そうしてそこに「チームワーク」が自然と出来上がるのではないでしょうか。そうやって「強い」チームが出来上がるような気がします。最終目的は「チームの勝利」であり、投手が何個三振を奪ったかという事はあまり関係ないのです。

 そこで関係してくるのは「人間性」だと思います。上記の「ワンマン投手」は自分の能力があり過ぎる故に「独りよがり」な性格があるのではないでしょうか。それは「俺が俺が」になりやすい人間性であり、前述の「錯覚や過信」に繋がるのではないのでしょう。勿論あくまで「傾向」のお話であり、そうで無い選手も沢山いらっしゃいます。一般論から述べている事をご容赦下さい。

 野手についても同じことが言えます。「ホームランを打てる強打者」の居るワンマンチームは投手でいう所の「剛速球を投げるピッチャー」のいるチームになります。このタイプの野手は「自分で決めてやろう」と言う気を強く持つタイプです。「俺が、俺が」の人間性が見え隠れします。所詮ホームランはヒットの延長であり、ヒットの打てる確率はプロなら3割行けば上等で、その中の何割かが「ホームランの出る確率」になりますからホームランの出る確率はかなり低くなります。しかもランナーがいなければホームランでも1点でしかありません。

 私的には「走攻守に平均的に能力があり、何か秀でたものが一つ以上ある野手」の方が好みです。このような選手は「何であろうが後につなぐ」と言う意識を強く持つと大振りはしないため、投手の球数を増やすことやフォアボールを選んで出塁するなど「チームの勝利に貢献」出来る選手になり得ます。

 上記のホームラン打者も「何とか次に繋げる」と言う意識を持つでしょうが、器用さに欠けて相手にダメージを与えるという点に於いてはなかなか難しいでしょう。このような事は会社内のみんなで仕事をする話でもある程度関係するかも知れませんね。 

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