第2話 悪いスライム?

[勇者トロ レベル5]

[賢者ドロシー レベル6]

[お金 2220EN]



 目覚めるとドロシーの顔が近くにあった。

(ドロシー、やっぱりお前、俺のこと……)

 ニヤニヤ顔をするとドロシーのビンタを一発いただいた。

 バチンッ!

[トロのHPは回復した!]

「ちょ、生き返ってそうそうビンタはないでしょ。まあ、気持ちいいからいいけど、まずはパブパブで頼む」

「パブパブは嫌。トロにパブパブするぐらいならスライムにやる」


――


[スライム×2があらわれた!]

「おっ、スライムの登場だ! ドロシー頼んだぞ!」

[ドロシーのパブパブ!]

[ドロシーのパブパブは効かなかった!]

「ぼくたち悪いスライムじゃないよ」

「ん? 悪いスライムじゃないなら何だって言うんだ!? おっぱいだと言うのか!? ふむ、確かに柔らかそうだな。だが断る! 俺にはドロシーのおっぱ――」

 バチンッ!

[トロのHPは回復した!]

[トロはこころに1ダメージを受けた!]

「私のおっぱいはトロのものじゃないから!」

「遠い昔より伝わる予言者ヒモじいの予言には、ドロシーは自分の胸をトロに捧げて永遠の愛を誓うとある」

「ゼッタイ ササゲナイ」

「なぜだ! このスライム2匹でおっぱい祭りをしろと言うのか!」

「私には夢があるの! 強い騎士様と結婚するっていう!」

「そんなの関係ねえ! おっぱいぴーだ!」

「それ、間違っているわ……」

「間違っていようがいまいがどちらでもいい。俺にはドロシーの――」

「ぼくたち悪いスライムじゃないよ」

「俺にはドロシーの――」

「ぼくたち悪いスライムじゃないよ」

「少し黙ってくれないか。今、ドロシーと真剣に――」

「ぼくたち悪いスライムじゃないよ」

「くらあ! 何聞いとんねん! 大事な話の最中でしょーが!」

「大丈夫。私、トロのことは好きじゃないわ。安心して」

「できない! やだやだ! ドロシーは俺のものだーっ!」

「ここは使うしかなさそうね……」

[ドロシーのパブパブ!]

[トロは深い眠りについた!]

「ぼくたち悪いスライムじゃないよ」

「ありがとう。戦わなくて済んだわ。じゃあね」

「また会おうね」

 ドロシーは移動魔法「テレポート」を使うと、トロと一緒に街へと飛んだ。


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